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2026.10.05

スポニチアネックス

ライアン・ムーア騎手と名馬シャーガーが英殿堂入り!「素晴らしい人々と仕事ができた」「深く感謝」ムーア

 英国競馬界に輝かしい歴史を刻んだホースマンと名馬が、新たに栄誉を称えられることになった。英国競馬殿堂選考委員会は5日、ライアン・ムーア(43)と伝説の名馬シャーガーの殿堂入りを発表した。その功績は英チャンピオンズデー当日の17日にアスコット競馬場で表彰される。

今年、13度目のロイヤルアスコットリーディングジョッキーに輝いたライアン・ムーア(左)(C)Megan Rose Photography

 日本でもおなじみの存在であるムーアは26年にわたる騎手生活で数々の金字塔を打ち立てた。障害競走で初勝利を挙げた後、平地転向。通算3400勝以上を挙げ、その中には世界の主要G1レースがズラリと並ぶ。

 特に日本のファンにとっては凱旋門賞やジャパンC、天皇賞・秋、香港C、メルボルンC、ブリーダーズCといった世界のビッグレースでの活躍が記憶に新しい。英国では2003年にチャンピオン見習騎手、06年、08&09年と3度リーディングジョッキーに輝いている。英国のクラシック18勝、ロイヤルアスコット99勝、そしてロンジンワールドベストジョッキーには4度も選出されるなど、その実績は枚挙にいとまがない。

 数字だけでは語り尽くせないのがムーアの真骨頂だ。13年ロイヤルアスコットではエリザベス女王の所有馬エスティメイトをゴールドC優勝に導き、現役君主の所有馬として史上初の快挙を達成。その年のうちに米国、日本、カナダ、フランスでG1を制覇するなど、その適応能力と世界的な需要の高さは際立っていた。

 殿堂入りの報を受け、ムーアは「英国競馬殿堂に選ばれたことを光栄に思います。幸運に恵まれ、キャリアを通して素晴らしい人々と仕事ができました。特に、サー・マイケル・スタウト師とエイダン・オブライエン師が長年にわたり、与えてくれた機会に深く感謝しています。多くの功績を挙げた方々と並んで認められることは私にとって大きな意味があります」と喜びの声を寄せた。

 ムーアはレスター・ピゴット、フランキー・デットーリといったレジェンドたちに続き、ホースマンとしては14人目の殿堂入りとなる。

 名馬シャーガーは半世紀近くたった今もその名が語り継がれる伝説的存在だ。1978年にアイルランドで生まれ、サー・マイケル・スタウト厩舎に入厩。80年9月にデビューし、翌81年の3歳シーズンで競馬界に衝撃を与えた。

 サンダウンのクラシックトライアルを10馬身差、続くチェスターヴァーズを12馬身差で圧勝し、迎えた英ダービーは断然1番人気に推される。結果は今も破られていない10馬身差で圧勝。主戦のウォルター・スウィンバーンがゴール前で手綱を緩める余裕を見せたことから、それがなければ、さらに差は開いていたとも言われている。

 続く愛ダービーはレスター・ピゴットが騎乗し、またも4馬身差で楽勝。ピゴットをして「これまで乗った中で最高の一頭」と言わしめた。続くキングジョージ6世&クイーンエリザベスSでも不利をものともせず後続に4馬身差をつけ、その圧倒的な能力を見せつけた。

 しかし、その輝かしい競走生活は短かった。82年に種牡馬入りしたものの、翌83年2月8日に誘拐され、二度と姿を見ることはなかった。そのミステリアスな失踪劇は卓越した競走成績とともに語り草となっているが、今回の殿堂入りは改めて圧倒的な才能とパフォーマンスに光を当てるものだ。

 シャーガーはフランケル、ブリガディアジェラード、ガリレオといった歴史的名馬に続き、競走馬としては14頭目の殿堂入りとなる。

 選考委員会の共同議長であるソフィー・エイブル氏は「シャーガーとライアン・ムーアが英国競馬の殿堂入りにふさわしいことは委員会において満場一致の決定でした。シャーガーは英国競馬史上、最も称賛され、象徴的な馬であり続けています。一方、ライアンの輝かしいキャリアとレースにおける功績は、その世代を代表する偉大な騎手の一人として確立しました」と両者を称えた。

 17日の英チャンピオンズデーは英国における平地シーズンのグランドフィナーレを飾る一大イベントだ。アスコットを舞台に英国で最も賞金が高く、最多のG1・5競走が組まれ、チャンピオンジョッキーやチャンピオンオーナーが決定する競馬の祭典と言える日に殿堂入りが祝われる。