2026.10.15
レッドバンデ昇仙峡S勝利
10月12日、東京競馬場で行われた昇仙峡Sを、レッドバンデが制した。阪神大賞典(GⅡ)で7着に敗れたあと、立て直して臨んだ自己条件の一戦。単勝1.5倍の圧倒的1番人気に応える快勝劇だった。
「当初は阪神大賞典の後、春の天皇賞へ向かうつもりでしたが、輸送に弱いのか、背中の肉が落ちて、消耗が激しかったので、天皇賞は見送って間隔を空けることにしました」
そう口を開いたのは、管理する大竹正博調教師だ。中間の過ごし方について、さらに続ける。
「中間は山元トレセンで、まずは回復に努めてもらいました。これに時間を要しましたが、8月半ばくらいからやっとペースを上げることができました。お陰で、帰厩した時には体が戻っていました」
阪神大賞典は前走比マイナス12キロの480キロだった。夏を休養に充て、減った体は戻ったものの、復帰戦と考えていた昇仙峡Sまでに追える本数を考えると、中身はまだできていないかもしれない、とも思ったという。
「実際に動かしてみると、やはり重い感じでした。かと言ってビッシリやるとトモの緩い面が出てしまう馬なので、無理はさせず、間に合ってくれれば、という感じで仕上げていきました」
その結果、なんとか臨戦態勢は整い、前走からプラス16キロの馬体重496キロで、東京芝2400メートルのゲートに収まった。
「まだ良くなる余地を残していた分、反応が今ひとつで、道中は鞍上の手が動き、肩ステッキも入りました」
当日は京都競馬場に臨場しており、テレビ画面越しに観戦していた大竹調教師は、一瞬不安になったと振り返る。
「ただ、最後は自力で伸びてくれました。今回勝つならこういう形で多少モタつくかも、とは考えていたので、終わってみればその通りだったのかな……と」
そう納得しかけたが、騎乗したクリストフ・ルメール騎手のコメントとレースの記録を見直して、ハッとした。
「ルメールさんは『結構、余裕の勝利でした』と言っていました。ラップを見ると、上がりは34秒フラット。前々走の箱根特別を勝った時も33秒0でしたから、こちらが考えている以上に瞬発力のある馬だと分かりました」
菊花賞(GⅠ、2025年)では、まだ本格化手前の段階ながら5着に健闘した素質馬。その才能が、今まさに目覚めようとしているのかもしれない。
「もう一段、踏み込んで調教できるようになれば、再び大舞台に立てると考えています」
指揮官は最後に、力強くそう言って締めくくった。
(撮影・文=平松さとし)