2026.10.23
レッドソロモンと菊花賞
今週末、京都競馬場で菊花賞(GⅠ)が行われる。
2015年10月25日、第76回のこの長距離GⅠを制したのは、5番人気のキタサンブラックだった。後に6回のGⅠ勝ちを重ねる同馬の、その6回全てで手綱を取ったのはレジェンド・武豊騎手。名コンビとして有名になったが、初めてのGⅠ制覇だったこの菊花賞では北村宏司騎手が騎乗。武豊騎手は、この北島三郎オーナーの馬を倒すべく、レッドソロモンの手綱を取っていた。
庄野靖志厩舎の牡馬で、父は06年の皐月賞(GⅠ)、日本ダービー(GⅠ)を制したメイショウサムソンである。
14年6月に阪神芝1800メートルでデビューし、初勝利は翌15年2月の小倉だった。3月の若葉Sでは、8番人気(36.8倍)の低評価を覆してA・シュタルケ騎手と優勝した。これで皐月賞の優先出走権を得たが、体調不良で出走は叶わず、春のクラシックは全休となった。
その後、夏に準オープンを3着した後、秋は神戸新聞杯(GⅡ、6着)からクラシック最終関門に駒を進めた。そして、そこで鞍上に指名されたのが武豊騎手だった
この組み合わせには、味わい深い因縁があった。父メイショウサムソンは06年、三冠をかけて菊花賞に単勝2.0倍の1番人気で挑み、4着に敗れた。その日、武豊騎手はアドマイヤメインで大逃げを打ち、レースを動かした一人だった。翌07年、メイショウサムソンは武豊騎手に乗り替わって天皇賞・秋(GⅠ)を制している。父が取れなかった菊花賞のタイトルに、息子が武豊騎手とともに挑む。そんな物語を背負った一戦だった。
そんな菊花賞を武豊騎手=レッドソロモンは好位の4番手で進んだ。しかし、最後の直線では失速。残念ながら17着に敗れた。
「乗りやすくて良い馬でしたけど、本当に良くなるのはもう少し先のようですね」
天才ジョッキーはそう言ってその走りを振り返った。そして、その見解通り、その後のレッドソロモンは準オープンを連勝した後、オープン特別のアンドロメダSも優勝。堂々たるオープン馬になるのだった。
(撮影・文=平松さとし)