2025.11.07

メルボルンカップ

現地時間4日、オーストラリア、ヴィクトリア州メルボルンのフレミントン競馬場でメルボルンC(GⅠ)が行われた。
 毎年11月の第1火曜日、午後3時にスタートが切られ「国の動きを止める」とまで言われるこの伝統の一戦。芝3200メートルのハンデキャップ競走には、今年も世界各地から24頭が集結し、栄光を懸けて激突した。
 その中には日本から参戦したシュヴァリエローズの姿もあったが、スタートで出遅れて道中は後方を追走。最後まで伸びを欠き、結果は23着に終わった。
一方、勝利を収めたのはハーフユアーズ。地元T&C・マカヴォイ厩舎の5歳せん馬で、前走のコーフィールドC(GⅠ)に続くGⅠ連勝を達成した。この2レースを同一年に制したのは、一昨年のウィズアウトアファイト以来。当時が22年ぶりの快挙だったが、それからわずか2年で、再び偉業が達成された。
手綱を取ったのはジェイミー・メルハム騎手。以前はジェイミー・カー騎手の名で知られ、ベン・メルハム騎手との結婚を機に現在の姓となった。オーストラリアの女性騎手としてはレイチェル・キング騎手が日本では有名だが、地元での実績ではメルハム騎手の方が上だ。2020/21年シーズンには女性として初めてヴィクトリア州メトロポリタン地区のリーディングジョッキーを獲得。オーストラリアンC、ドンカスターマイル、コーフィールドCなどGⅠ勝ちも多数を誇る。
レース後、J・メルハム騎手は涙ながらに「たくさんの人の支えがあって、夢が現実になりました。嬉しさと感謝の気持ちでいっぱいです」と喜びを語った。
なお、女性騎手がこの南半球最大のレースを制したのは、2015年にプリンスオブペンザンスで勝利したミシェル・ペイン騎手以来2人目。ペイン騎手の快挙は映画化もされ、日本を含む世界中で上映されたので、多くのファンの記憶に残っているだろう。今回のジェイミー・メルハム騎手の勝利も、今後どのような物語として語り継がれていくのか、期待したいところだ。
(撮影・文=平松さとし)
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