2025.08.22

ケリン・マカヴォイ騎手

今週末、札幌競馬場でワールドオールスタージョッキーズ(以下WASJ)が行われる。
 世界中からトップジョッキーが集うこのイベントで、2017年に招待されたのがオーストラリア出身のケリン・マカヴォイ騎手だ。全4戦で争われるWASJでの彼の成績は11、4、12、4着。勝つ事は出来なかった。
 しかし、2日目の第2レースでレッドラトナ(栗東・西園正都厩舎)に騎乗した彼はゴール寸前でハナだけ差し切りJRA初勝利を挙げてみせた。単勝は7番人気でそのオッズは27.0倍。ダークホースを見事に導いての勝利だった。
 1980年10月24日、オーストラリアで、競馬一家に生まれた。父のフィリップ・マカヴォイは元騎手で、3人の兄弟とおじもジョッキー。また祖父は調教師というオーストラリア競馬界のサラブレッドとして、生まれ育った。
 2000年にはブルーに騎乗して南半球最大のレースといって良いメルボルンC(GⅠ)を制覇。これは史上2番目の若さでの勝利だった。ちなみに16年にはアルマンダンで16年ぶりに同レース2勝目をマークすると、その2年後の18年にはクロスカウンターで3勝目を記録した。
 02/03年シーズンにはヴィクトリア州のメトロポリタンのリーディングを獲得。04年にゴドルフィンと契約を結んだ事で、世界を飛び回るようになり、ルールオブローでは同年の英国セントレジャー(GⅠ)、シャマーダルのセントジェームズパレスS(GⅠ)、翌05年にはドバウィではフランスのジャックルマロワ賞(GⅠ)を制してみせた。
 08/09年シーズンからは再びオーストラリアを主戦場に戻すと、その活躍ぶうりは枚挙におとまがなく、ビッグレースを勝ちまくった。ほんの一例ではあるが11年にはシーポイでゴールデンスリッパー、17/18年にはレッドゼルを駆ってジ・エベレスト連覇、22年にはトスカーナベルでドイツのディアナ賞(ドイツ版オークス、GⅠ)、また、J・マクドナルド騎手とのコンビで有名なヴィアシスティーナにも24年のウィンクスS(GⅠ)を制している。
 あまり日本では有名ではないが、オーストラリアの競馬界では知らない人がいないと言える名手だし、ヨーロッパでもその名はしれている。また再び日本に来ていただき、レッドラトナを勝利に導いてくれた時のような彼の手綱捌きを見させてほしいものだ。

(撮影・文=平松さとし)
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