2025.08.13
岩田望来騎手英国遠征

6月下旬にイギリス入り。競馬発祥の地であり、馬の街として知られるニューマーケットを拠点に、すでに1カ月半ほど生活しているのが岩田望来騎手である。
「(短期免許で)来日していたトム・マーカンド騎手に、ウィリアム・ハガス調教師を紹介していただき、ほぼ毎朝、調教に乗せてもらっています」
朝は5時過ぎから、おおむね3頭の調教に騎乗するのが日課だという。
「有名なウォーレンヒルはもちろん、ニューマーケット競馬場での追い切りにも乗せてもらいました。他にも多くの調教コースのほとんどで調教騎乗をさせていただきました」
調教後は朝昼兼用の食事をとり、ひと休みしてから午後はトレーニング。まさに馬漬けの日々を送っている。
「フランスのシャンティイに滞在していた時は、パリまで1時間前後だったので時々出かけることもありました。でも、ニューマーケットではロンドンまで片道2時間ほどかかる事もあり、ほとんど行く事はありません。必然的に馬漬けの日々になっています」
昨年の夏はフランス競馬に挑戦し、ちょうど1年前の今頃はジャン・クロード・ルジェ厩舎に所属してドーヴィルで過ごしていた。ではなぜ今年はイギリスなのか……。
「ライアン・ムーア騎手に憧れていたので、そもそも彼がよく乗るイギリスで騎乗してみたかったんです。ただ、昨年はビザ申請がなかなか通らなかったためフランスに行くことになったという経緯がありました。今年こそはと思い、フランスから帰国後すぐにビザ取得の手続きを進め、無事に取得できたので来ることにしました」
2年越しで到達した目標の地で、世界各国の名手が集うシャーガーカップにも選出された。アスコット競馬場で5レースに騎乗し、勝利こそ逃したものの2着を含む好走を見せ、イギリス修行の成果を披露してみせた。
更に今週末の17日、フランス・ジャックルマロワ賞(GⅠ)に挑戦する日本馬ゴートゥファースト(牡5歳、栗東・新谷功一厩舎)の鞍上を「せっかくヨーロッパにいるなら」(新谷調教師)と、任される事になった。同レースの舞台はドーヴィル競馬場で、先述したように昨年長く滞在した、まさに勝手知ったる地である。積極的な海外修行の経験が、早くも活きる形となったわけだ。
帰国はその後の予定。海の向こうでひきだしを増やした岩田望来騎手の更なる活躍に期待したい。
(撮影・文=平松さとし)
※無料コンテンツにつきクラブには拘らない記事となっております