2026.10.30

スポニチアネックス

【天皇賞・秋】宮厩舎 打倒3強の予感 シェイクユアハート&タガノデュード嵐呼ぶ

 ◇VI馬NT~別班潜入爆穴捜査~

厩舎周りで運動するシェイクユアハート(撮影・中辻 颯太)

 芝中距離最強を決める「第174回天皇賞・秋」(11月1日、東京)は29日、出走馬と枠順が確定した。大ヒットドラマをオマージュした秋G1企画「VI馬NT~別班潜入爆穴捜査~」は、東西のトレセンに潜入する捜査員が高配当の使者をプッシュ。今秋G1で人気薄が好走している栗東組では、成長著しい宮厩舎の2頭に迫った。

 秋のG1・3戦は全て任務失敗…。もう後がない。絶体絶命のピンチに、伝説の捜査員が立ち上がった。「司令、行かせてください」。栗東から、冷徹な女性司令官の元に無線が入った。「これ以上の失敗は許しません。行きなさい!!」

 チャンスがないわけではなかった。秋G1・3戦は7~9番人気の伏兵が1頭ずつ連対(スプリンターズS1着=9番人気ピューロマジック、秋華賞2着=7番人気ギャラボーグ、菊花賞2着=8番人気バステール)。その3頭は全て関西馬だった。潜入取材しながらも穴馬を見つけられなかった同僚捜査員の分まで挽回するため情報を仕入れた。

 近年の天皇賞・秋は前走G1組が活躍。今年も該当馬が人気を集めるが、急激に力を付けた馬の大駆けがないわけではない。21世紀以降の歴史を振り返れば、G2札幌記念で連対して臨んだ馬が【3・2・3・9】と健闘。05年ヘヴンリーロマンスは14番人気、11年トーセンジョーダンは7番人気の伏兵で当レースを制した。

 今年の札幌記念をレコード勝ちしたシェイクユアハートもG1レベルまで成長している可能性は十分。昨年12月から重賞3勝を挙げ、6歳を迎えて本格化した。キャリア31戦中、25戦で手綱を取る古川吉は「コンビを組み始めたころから期待していた通り、実戦に使いながら力を付けてきた」と目を細める。管理する宮師も「前は弱々しいところがあったけど最近はカイ食いも良く、全体的に強さが出てきた」と証言した。

 2000メートルの距離で6勝を挙げるスペシャリスト。東京は初めてとなるが、左回りは中京で重賞2勝を含む3勝を挙げており、古川吉も「何も心配していない」ときっぱり。自慢の末脚は府中の長い直線でより生きそうだ。司令官から「宮厩舎には、もう1頭いるじゃない!?2頭出しは人気薄という格言もあるわね」。

 タガノデュードは2月の小倉大賞典で重賞初制覇を飾ると、大阪杯4着、天皇賞・春6着、宝塚記念5着とG1で善戦。宮師は「春G13戦の中で大阪杯の内容が一番良かった。2000メートルがベストの距離だし、左回りに良績があるので、これも楽しみですよ。上位は強いですが、何とか壁を破ってみたい」。宮厩舎の2頭がピンチを救ってくれる気がしてきた。物語は続く。

 ≪気持ちかみ合えば(5)シャンパンカラー怖い≫東の捜査員にも司令官から穴馬探しのオーダーが入った。過去10年の勝ち馬は全て3番人気以内で、1番人気が7勝。馬券に絡んだ30頭のうち2桁人気馬は1頭のみだった。「荒れないレースでそんなことを言われても…」。途方に暮れる捜査員だったが、わずかに光が差した。シャンパンカラーが坂路最終追いで4F自己ベストとなる50秒8をマーク。田中剛師も「体調は良い」と上積みを認める。鍵を握るのは「気持ちがかみ合ってくれれば」と話すメンタル面。G1タイトルへと導いた内田が思い出の府中で愛馬の“記憶”を呼び覚ましてくれるはずだ。