2026.08.03

スポニチアネックス

英競馬界に激震、ジョッキークラブが競馬場協会から脱退…新団体設立へ

 英国競馬界の最大勢力でエプソムダウンズやサンダウンパーク、ニューマーケットなどの競馬場を所有・運営し、競馬振興を担っているジョッキークラブ(The Jockey Club)は3日、今年の年末をもって競馬場協会(RCA)から脱退すると発表した。既に脱退を表明しているアスコット競馬場に同調する形となり、英国競馬の運営体制は大きな転換点を迎えている。

英ジョッキークラブ

 

 今回の決断の引き金となったのは今年3月から進められたRCAの統治体制の見直しの結果だ。ジョッキークラブ最高経営責任者(CEO)のジム・マレン氏はRCAの提案内容について「業界に必要な変化を阻害し続ける懸念に対処できていない」と厳しく批判した。

 ジョッキークラブ側が特に問題視しているのはRCAが英国競馬統括機構(BHA)の株式の50%を保持し、政治的な影響力を持ち続けている点だ。マレン氏は現在の体制では「BHA理事会の独立化」や「開催日程の抜本的見直し」といった不可欠な改革が、一部の利害関係によって今後も阻害され続けると主張している。

 RCAは各競馬場に対し、運営面での実務的なサポートを提供している。しかしジョッキークラブはそうしたサービスの恩恵よりも、改革を阻む政治的リスクの方が「代償として高すぎる」と判断した。

 今後はアスコット競馬場や志を同じくするパートナーと共に新たな団体の設立を目指す。既に統括機関であるBHAとも協議を開始しており、特定の団体の利益に左右されない「独立した意思決定」ができる体制づくりを急ぐ方針だ。

 他の競馬場の中には引き続きRCA内にとどまり、内部からの改革を目指す動きもある。ジョッキークラブはこうした選択を尊重するとしつつも「競馬界全体の長期的な持続可能性のためには、私利私欲を排除した新しい枠組みが必要だ」と強調した。

 伝統ある英国競馬の統治構造が二分される異例の事態に、今後の開催日程や馬券収益の配分など業界全体への影響は避けられない見通しだ。