2026.07.10

スポニチアネックス

【七夕賞】中舘英二師、アスクナイスショーで狙う“W制覇” 鞍上・田辺に全権委任

 それぞれの願いを乗せた16頭の意地がぶつかる。七夕賞(12日、福島)の出走馬が9日、確定した。アスクナイスショーを送り込む中舘英二師(60)は騎手として93年ツインターボ、11年イタリアンレッドで2勝。開業12年目を迎えた今年は騎手、調教師としての“W制覇”を狙う。

アスクナイスショーで七夕賞に挑む中舘師(撮影・郡司 修)

 93年の七夕賞。希代の逃げ馬が福島競馬場に詰めかけた4万人超の観衆を魅了した。当時、騎手として相棒の背中にまたがっていた中舘師が述懐する。「ツインターボは4角で生き返る馬だった。もう一回、頑張ってくれる。焦っちゃうから後ろは見なかった。ゴール板を過ぎてこれだけ離れていたのかと」。ファンの多い馬だった。

 大外枠から敢然とハナを奪うと、最後は4馬身差で後続を振り切った。「馬の邪魔だけはしないように。レースは馬につかまっているだけだった。ラップどうこうというより、リズム良く行き切った。バテていいや、という気持ち。あのラップを踏んだら後ろはついてこられないよね」。人馬の呼吸がピタリと合った逃げ切り。中山開催だった11年イタリアンレッドを含め、騎手時代に同レース2勝をマークした。

 今年は調教師として、アスクナイスショーを送り込む。「ジョッキーと調教師で職種は違う。我々の仕事は馬をいい状態で適性の高いところに出すこと。ローテーション的にここがいいと思っていますし、福島も得意ですから」。立場は違えどホースマンとしての意識は変わらない。トレーナーとしての役割を全うし、最後の“バトン”はコンビ3勝を挙げる田辺に託す。「逃げた方が良いのだろうけど、逃げなくても競馬はできる。乗り役の考え方もあるだろうし、彼もずいぶん乗っているので信頼関係がある。スタートを出た時に感じるものがあるだろうから、その感性を大事にして乗ってもらっている」と全権委任の構えだ。

 日経賞(10着)は4角先頭で回ったが、前崩れの展開に泣いた。「かわいそうな競馬だったけど、行った馬にはよくあること。それでも頑張っていたからね」。前走後はここへ向けてしっかり立て直してきた。「先週までモタモタしてたけど、今週は型通り良くなった。体もちょうどいい。良い状態で出せるのは良かった」。騎手&調教師としての七夕賞Vへ、準備は整った。

 《田辺、地元重賞と好相性》福島県二本松市の出身の田辺は23年福島記念(ホウオウエミーズ)以降、福島重賞を4年連続で勝っている。今年も6月のラジオNIKKEI賞をサノノグレーターで制すなど、当地重賞と好相性。七夕賞は過去11度挑戦して14年メイショウナルトで勝利。12年ぶりの同レースVを狙う。

 ◇中舘 英二(なかだて・えいじ)1965年(昭40)7月22日生まれ、東京都出身の60歳。84年騎手デビュー。JRA通算1万7699戦1823勝。うち重賞30勝。G1は93年阪神3歳牝馬S(ヒシアマゾン)など3勝。15年に騎手を引退、調教師へ転身。同年に開業し、JRA通算2902戦244勝。重賞4勝。