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2025.12.31

スポニチアネックス

【追憶の中山金杯】07年シャドウゲイト ハンデ戦なのに7馬身差V おとそ気分も吹き飛んだ

 ハンデ戦の定義を今さらながらに確認しておきたい。「出走全馬が横一線でゴールすることを目指し、ハンデキャップ作成委員が負担重量を決定する」。よって、ハンデ戦で行われてきた中山金杯は接戦のオンパレードだった。

07年中山金杯を快勝したシャドウゲイト

 ところが、そんなハンデキャップ作成委員の思いをよそに、7馬身差をつけて中山金杯を勝ってしまった馬がいる。それが07年シャドウゲイトだ。

 1000万下(現2勝クラス)の香取特別を7馬身差つけて逃げ切り、格上挑戦で中山金杯にエントリーしてきたシャドウゲイト。課せられたハンデは53キロだった。3番人気、単勝730円。何とも絶妙な重量とオッズを背負ってシャドウゲイトと田中勝春騎手(現調教師)はスタートを切った。

 香取特別と同様、先手を奪いに行った。だが、ワンモアチャッターと横山典が先手を主張してきた。難しい判断を迫られたが、田中勝騎手はスッと引き、2番手で折り合うことを選んだ。ワンモアチャッターが最下位16着に敗れたことを思えば、このジャッジは正解だった。

 3~4角中間。手応えを保ったまま、シャドウゲイトはワンモアチャッターをかわした。そのまま勢いをつけ、4角では後続に5馬身差をつけた。直線でも差を詰めさせず。2着争いは当時9歳のアサカディフィートと、今や大種牡馬となったブラックタイドでし烈なものとなったが、そのはるか前でシャドウゲイトは初重賞制覇のゴールイン。香取特別に続く7馬身差の圧勝劇だった。

 「前走でも強いと思ったがオープンでこんなにうまくいくとは」と目を丸くした田中勝騎手。「ハンデも恵まれたが、これが本格化したということだろう。この感じなら距離が延びても大丈夫。先が楽しみになったよ」。まさか“先”に国際G1制覇(シンガポール国際航空C)が待っているとは思わなかっただろう。

 ところでハンデ戦が一方的な決着となった時、ハンデキャップ作成委員は怒られたりしないのだろうか。まあ、格上挑戦の馬に58キロを背負わせるわけにもいかないし、ハンデを軽々と乗り越えたシャドウゲイトが強かったということ。レース後にそんなことを考えたこともあり、非常に印象に残った中山金杯だった。