2025.12.24
スポニチアネックス
【有馬記念】高柳大師 ミュージアムマイルに自信 開業8年目…経験重ねて「厩舎力」アップ
開業8年目の高柳大師は管理馬の有馬記念出走が初めて。その事実が意外に聞こえるほど大舞台で結果を残してきた。テーオーケインズを起用した21年チャンピオンズCでJRA・G1初制覇を飾ると、その後は途絶えることなく毎年、重賞を勝っている。G1は昨年ヴィクトリアマイルでテンハッピーローズが14番人気V、今年はミュージアムマイルが皐月賞を制した。
ミュージアムマイルで臨むグランプリに向けても指揮官の気持ちは同じ。「まずは無事に出走させたい。そういう意味の緊張感はあります」と率直な思いを語った。今年ここまでについては「皐月賞を勝たせていただいて、うれしかったです。凄い馬を預からせていただいていると思いました」と回顧。ダービー(6着)は皐月賞馬としてのプレッシャーも感じながらの調整だった。「ダービーでは結果を残せなくて申し訳なかったです。でもテーオーケインズや他の馬で苦労したことがスタッフの経験になり、スキルアップにつながりました。今回もミュージアムマイルが厩舎力を上げてくれた感じがします」と前を向いた。
天皇賞・秋では強豪古馬と互角以上に渡り合って2着。中7週となる秋3走目の今回に向けて「しっかり回復できましたし、状態はいいですね」と好気配を伝えた。中5週の春3走目だったダービーとの比較について「あの時のミュージアムマイルにとっては間隔が短かったです。体も成長している段階でした。同じ3走目でも春とは違います」と手応えをにじませた。
今年を漢字1文字で表すと?という質問には「初」と答えた。「有馬記念は初出走ですからね。何とかいい競馬をしてくれたら」と期待を込めた。管理馬を順調に、いい仕上がりで送り出す。その一点に集中している。
◇高柳 大輔(たかやなぎ・だいすけ)1977年(昭52)6月7日生まれ、北海道出身の48歳。実家は北海道日高町にある高柳牧場。札幌光星高校で乗馬を始め、京産大時代に全日本学生馬術大会出場。卒業後はノーザンファームに就職。JRA競馬学校厩務員課程を経て03年から栗東・大久保龍志厩舎で調教助手を務め、05年に安田隆行厩舎へ。17年に調教師免許を取得し、18年に開業。21年アンタレスSで重賞初制覇、同年チャンピオンズC(いずれもテーオーケインズ)でG1初制覇。美浦の高柳瑞樹師は兄。JRA通算1997戦182勝、うちG1・3勝を含む重賞9勝。