2025.10.16

スポニチアネックス

【秋華賞】マピュース 距離克服に光 リズム上々ラスト2F鋭伸12秒0→11秒4

 距離克服に光が見えた。マピュースの最終リハはWコース単走。3角まではゆったりとしたラップだったが、以前のように集中力を欠くシーンは見られない。しっかりと折り合いがついている。リズムも上々だ。3角過ぎからはスムーズに加速。ラスト2Fは12秒0→11秒4と鋭い伸び。操縦性の高さが見えた。

ウッドチップコースで追い切るマピュース(撮影・郡司 修)

 調教にまたがった小島助手が切り出す。「馬は大体できています。時計よりもリズム重視を心がけて乗りました。馬場が重かったけど、ブレることなくしっかり走れていました」と成長を実感。「道中も無駄に(ハミを)かむところもなく、リズム良く最後まで走れていました」と納得の表情を浮かべた。

 この中間は400メートルの距離延長、初の2000メートルに対応すべくスタミナ強化に取り組んだ。前回までの坂路主体の調整から一転、負荷のかかるWコースを多用して乗り込んだ。10月に入り、Wコースで5本の時計を出している。今週の2本は長めから入念に。小島助手は「体形を見ればマイラーなのでね。残り400メートルを持つように心がけてつくってきた。コーナー4つの練習もしつつ、息の入り方をつくってきた」とここまでを回顧。“秋華賞仕様”へのモデルチェンジを図った。

 前走の中京記念は軽量52キロだったとはいえ、エルトンバローズやウォーターリヒトなど強敵を撃破。初の重賞タイトルを奪取、潜在能力の高さを証明した。古馬を相手の重賞勝ちは誇らしい。中京記念は12年から夏に開催時期が移動、ここをステップに秋華賞に挑んだ馬は一頭もいない。異例のローテ、新たな歴史をつくることができるか。前走に続きコンビを組む横山武が「根性のある馬」と評価するように、内回り特有の“激戦”にはもってこい。未知の残り400メートル。まだ見ぬ景色を突破した先に、1冠が待っている。