2025.10.14

スポニチアネックス

【スワンS】オフトレイル、レコードV!“京都マイスター”さあマイルCSへ

 G2「第68回スワンS」が13日、京都競馬場で行われた。5番人気オフトレイルが自慢の末脚を繰り出して差し切り、1分18秒9のコースレコードで快勝。昨年2着だったレースで雪辱を果たし、重賞2勝目を挙げた。今後は優先出走権を手にしたマイルCS(11月23日、京都)でG1獲りを狙う。

スワンSを制したオフトレイル(手前)=撮影・中辻颯太

 大好きな淀の下り坂で勢いをつけたオフトレイル。直線は馬群の間にできたVロードを通り、ライバルたちをまとめて差し切った。勝ち時計1分18秒9は15年ウリウリが樹立したコースレコードを0秒1更新。コンビ2戦目で勝利に導いた菅原明は「新潟(前走の関屋記念2着)が悔しい競馬だったし、いい結果を出せればと思っていた。本当にうれしい」と笑顔を見せた。

 想定外のレース運びも関係なかった。ゲートで出脚がつかずに後方から。鞍上は「前に行く人気馬が多かったですし、そこまで離されずについていきたかったけど、いいゲートを切れなかった」と振り返る。それでも焦らず道中で中団まで押し上げ、直線で馬群がばらけるとスパート。自慢の末脚を発揮して鮮やかに差し切り、2着だった昨年のリベンジにも成功した。

 送り出した吉村圭司師(53)にとってはこの勝利で現役70人目となるJRA通算300勝を達成。「いい決め手がある馬なので、千二に使ってきた経験が生きているし、やっぱり無駄ではなかった」としみじみ。父ファーは4歳で本格化して英G12勝。産駒も着実に変化を遂げている。「昨秋と比べると体重は10キロぐらい増えているし、筋肉のつき方も変わってきた。ヨーロッパの奥深い血統。本格化してきている感じはある」と成長力に目を細めた。

 これで京都の成績は【3・3・1・0】と相性の良さが際立つ。当然、次に見据えるのは約1カ月後に当地で行われるマイルCSだ。指揮官は「状態を確認して何ともなければ行きたい。今年から間隔が空き(中5週で)調整しやすいのもいい。コース相性の良さを生かしたい」と力を込めた。本格化した4歳馬が、今度は絶好のG1舞台で頂点を狙う。

 ◆オフトレイル 父ファー 母ローズトレイル(母の父キングマンボ)21年5月14日生まれ 牡4歳 栗東・吉村厩舎所属 馬主・ゴドルフィン 生産者・英国のゴドルフィン 戦績15戦4勝(重賞2勝目) 総獲得賞金1億8645万8000円。馬名の由来は道のないところを行く。