2025.06.12

スポニチアネックス

【宝塚記念】ドゥレッツァ上昇 ラスト1F11秒6 尾関師「しっかり成長している」

 心身の充実を物語っていた。ドゥレッツァは雨が降る中、Wコースで単走。最初の1Fを16秒台で入り、14秒台とラップを上げる。折り合い重視の走り。徐々にスピードを乗せ、ダイナミックな走りで直線へ。重いウッドチップを力強く蹴り上げる。馬場の外めを馬なりでラスト2F12秒1→11秒6でフィニッシュした。尾関師は「十分気合も乗っていたし、先週で内容と気持ちも準備できていた。そこから一段階上がるような感じだった」と確実な上昇を感じ取っていた。

ウッドチップコースで追い切るドゥレッツア(撮影・郡司 修)

 1週前追いが凄かった。23年山吹賞以来のコンビとなる横山武を背にWコースで併せ馬。道中は先行するリアレスト(4歳オープン)を目標にスムーズに折り合った。流れるように加速、直線で外へ。仕掛けられるとアッという間に僚馬を抜き去った。6F81秒1~1F11秒3をマーク、2馬身先着した。「うまく乗ってもらえた。その分、最後の動きと反応に出た。時計も内容も1週前としては文句なかった」。先週の段階でほぼ態勢は整っていた。

 前走ドバイシーマクラシックは3着。外から伸びてきた1、2着馬に先着を許したが、G1・7勝馬レベルスロマンスをゴール前でかわした。「しぶとく走って最後は競り合いに勝てたし、頑張って3着になってくれた」。2度目の海外遠征、大きな収穫を得たことは間違いない。

 「馬体や経験も含めてしっかり成長している。完成形にはきている」と指揮官。5歳馬は過去10年で7勝と強い。ドゥレッツァは音楽用語で激しさ、厳しさをいう。普段とは違う環境で経験を積み、ひと回り大きくなった姿を見せる時。菊花賞以来のG1・2勝目へ、力強く飛び立つ。