2025.06.12
スポニチアネックス
【宝塚記念】ベラジオオペラ 僚馬に楽々先着! 重馬場で軽快ラスト1F11秒2
中央競馬の上半期を締めくくるグランプリ「第66回宝塚記念」(15日、阪神)の最終追い切りが11日、東西トレセンで行われた。大阪杯連覇を達成し、ファン投票1位でG1連勝に臨むベラジオオペラはCWコースで横山和生(32)が騎乗して3頭併せ。馬場が重い中でラスト1F(200メートル)11秒2の好時計をマーク、最先着を果たした。万全の仕上がりをアピール。4戦4勝と得意の阪神で3つ目のG1タイトルを狙う。同レースは12日に出走馬と枠順が決定する。

雨の中、主役は開門直後のCWコースに登場した。ベラジオオペラの背中には函館から駆けつけた横山和の姿があった。3頭併せの最後方を追走。序盤は前との距離を保ちながら、ゆったりリズム重視で進める。4角手前から余力十分に差を詰めると直線に入ったところで一気にギアを上げた。内から僚馬マコトヴェリーキー(5歳オープン)、レーウィン(4歳3勝クラス)を楽々と捉え、それぞれに1馬身、2馬身先着。6F81秒8~1F11秒2の好時計をマークした。
鞍上は「ここまで馬場が悪い中で調教に乗ったのは初めてだと思う」と前置きした上で「相変わらずの折り合いの良さ、反応の鋭さは確認できて内容は良かったと思います」と感触を伝えた。重馬場のコンディションも苦にしないパワフルな動き。実際、重馬場の23年スプリングSを勝っており、梅雨時の道悪にも不安はなさそうだ。
昨年の有馬記念4着からぶっつけで挑んだ前走の大阪杯は道中4番手追走から残り200メートルで先頭に立ち、後続をねじ伏せた。勝ち時計1分56秒2のコースレコードでレース史上初の連覇を達成。上村師は「前に馬を置いて進められれば最後は、はじけると思っていた。やっと間に合ったという感じの中で、あのパフォーマンス。やっぱり強いと再認識できた」と胸を張る。
阪神が改修工事のため、京都で行われた昨年の宝塚記念は3着だったが舞台は4戦4勝の阪神に戻る。「スタートがうまいし操作性も高いので、ジョッキーの意のままに競馬をすることができる」とセールスポイントを挙げ、舞台適性については「気候を含め、いい状態で使えるのが(好走の)一番の理由だと思う」と明かした。
今年は暑熱対策なども考えて、2週前倒しで開催される。暑い時季が苦手なこの馬にとって「前倒しは非常に大きい」とメリットでしかない。「前走と比べて間隔が詰まっている分、調整もしやすかった」と自信を持って送り出す。
ファン投票は歴代2位の22万8950票で1位。指揮官は「しっかり勝って、中距離王者としての貫禄を見せてほしい」と締めくくった。宝塚の舞台には“歌劇”がよく似合う。オペラが無敗の阪神で再び凱歌をとどろかせる。
≪ファン投票1位過去17勝≫宝塚記念のファン投票1位だった馬は過去の当レースで最多17勝を挙げている(同2位7勝、3位11勝)。阪神開催だった近3回は21年クロノジェネシス、22年タイトルホルダー、23年イクイノックスと3連覇中。ベラジオオペラも期待に応えるか。