2026.09.24
レッドモンレーヴ、スプリンターズSへ
今週末、中山競馬場でスプリンターズS(GⅠ)が行われる。ここに出走を予定しているのがレッドモンレーヴだ。
同馬がデビューしたのは5年前の2021年。当時は伯楽・藤沢和雄調教師のもとで育てられていた。しかし、翌22年、4戦2勝となったところで藤沢調教師が定年により引退し、転厩先が現在の蛯名正義厩舎となった。
蛯名調教師は、騎手時代の晩年を藤沢厩舎で過ごすことが多かった。調教師への転身を考えた時、最もお手本になると思われたリーディングトレーナーの下に身を置いたのだ。調教師試験に合格した後も、技術調教師として引き続き伯楽のもとで学んだ。そして、藤沢調教師からバトンを受け取るように厩舎を開業し、レッドモンレーヴも受け継いで管理することになった。
転厩初戦に選ばれたのは、東京芝1600メートルのレジェンドトレーナーカップ。藤沢和雄調教師の偉業を讃えて設けられたレースだった。すると、レッドモンレーヴはこれを勝利。まるで筋書きがあるかのような結末となった。
表彰式では、プレゼンターの藤沢元調教師から、蛯名調教師が副賞を受け取った。その際、藤沢元調教師が耳元で何かささやくと、蛯名調教師は笑顔を見せた。後日、何と言われたのかを尋ねると、こう答えてくれた。
「いつももらうばかりだったので、あげるのは慣れていないよ」
その後の活躍はご存じの通りだ。翌23年には京王杯スプリングカップ(GⅡ)を制し、蛯名厩舎に開業以来初の重賞勝利をもたらした。さらに、短距離戦に路線を変更した今春は、高松宮記念(GⅠ)でいきなり2着に好走してみせた。
今回のスプリンターズSへ向けた前哨戦がセントウルS(GⅡ)だった。ここではゲート内で前扉に突っかけたタイミングでスタートが切られ、まさかの大出遅れ。終始最後方のまま馬場を一周する結果となった。それでも、上がり3ハロンは出走16頭で唯一の32秒台をマークしてみせた。16着という着順は、現状の能力を示すものではないと感じさせたのである。
一度使われて状態は確実に上向くはずで、開催最終週の差しが届く馬場も追い風になる。高松宮記念を上回る結果に期待したい。
(撮影・文=平松さとし)