2026.09.18

レッドジェニアル

今週末、阪神競馬場では神戸新聞杯(GⅡ)が行われる。
 2019年、ここに出走したのがレッドジェニアルだ。手綱を取ったのは酒井学騎手。追い切り後には次のように語っていた。
 「追ってからの反応の仕方に、夏を越しての成長が感じられました」
 同じように成長を口にしたのが、管理する高橋義忠調教師だった。
 「春は精神面に扱いにくい感じがありました。でも、ひと夏を越してだいぶリラックスできるようになり、常識的な走りができるようになってきました」
 しかし、レースでは残念ながら4着に敗れた。酒井騎手はこう振り返った。
 「ペースが遅く、好位で運べましたが、他の馬を見て反応しそうになりました。よく我慢してくれましたけど、最後、上位勢とは決め手の差が出てしまいました」
 とはいえ、これ以前には日本ダービー(GⅠ)への出走を果たした。その競馬の祭典では外から差を詰め、勝ち馬から0秒8差の8着と健闘してみせた。当時、鞍上はこう語っている。
 「スパッと切れない分、捉え切れなかったけど、よく走ってくれました」
 このダービー出走がかなったのは、直前に京都新聞杯(GⅡ)を制し、最終切符を手にしたからだった。
 「個人的には久しぶりの重賞勝ちだったのが嬉しいです」
 酒井騎手は当時そう言うと、さらに続けた。
 「前走(アザレア賞4着)は外枠(9頭立て9番枠)で、前に壁を作れませんでした。馬のテンションも高かったので、そうなると厳しかったのですが、今回はそれを踏まえ、前に壁を作ってリラックスして走らせることができました。最後は少し苦しくなって内にモタれる感じがありましたけど、それで失速することもなくしっかり走ってくれました」
 結局、これがレッドジェニアルにとって唯一の重賞制覇となった。酒井騎手が「久しぶり」と喜んだあの勝利は、馬にとっては最初で最後の重賞タイトルとなったわけだ。神戸新聞杯を迎える今週末、あらためてその足跡を振り返ってみた。
(撮影・文=平松さとし)