2026.08.07
CBC賞勝ちのレッドファルクス
今週末、中京競馬場でCBC賞(GⅢ)が行われる。
2016年、このレースを制したのがレッドファルクスだ。
同馬を管理していたのは、美浦で開業する尾関知人調教師。レース前、指揮官は次のように期待を口にしていた。
「前走(欅S)で初めてオープンを勝ちました。左回りの方が良いので、左回りを中心に使ってきましたけど、元々このCBC賞は使いたいレースだったので、エントリーしました」
レースはスタートをゆっくりと出て後方から。3コーナーでは中団まで押し上げると、4コーナーまで大外を回りながら徐々に前との差を詰めていく。そして最後の直線、手綱を取ったミルコ・デムーロ騎手の鼓舞に応え、一完歩ごとに力強く伸びたレッドファルクスは、ゴール寸前で鮮やかに差し切り。最後はクビ差かわして1分7秒2で先頭ゴールインを果たした。こうして前走のオープン特別に続く連勝で、一気に初の重賞タイトルをつかみ取ったのだ。
「芝のスピード競馬にも対応してくれて、最後までよく伸びてくれました」
尾関調教師は、満足そうな笑みを浮かべながらそう振り返った。
レッドファルクスの勢いは、それで止まらなかった。CBC賞の次走で臨んだスプリンターズS(GⅠ)を制し、3連勝でGⅠホースへと駆け上がったのである。
その後、尾関調教師は愛馬を世界最高峰のスプリント戦と称される香港スプリント(GⅠ)へ送り出した。
「前年、サクラゴスペルで香港に来ているので、システム的なことはもちろん、ローカルルールも分かっています」
前年の遠征経験が生き、陣営は落ち着いて準備を進めることができた。
しかし、世界トップクラスのスピード競馬は甘くなかった。レッドファルクスはスタートでやや立ち遅れ、本来の末脚を発揮できないまま12着でゴールを迎えた。
「スタートで待たされたのも痛かったです」
そう振り返った尾関調教師は、悔しさをにじませながら続けた。
「この馬本来の伸びが発揮できず残念です。また機会があれば挑戦したいです」
残念ながら、レッドファルクスが再び海を渡ることはなかった。それでも翌17年、スプリンターズSを連覇。日本最強スプリンターの座を堂々と守り抜き、その名を競馬史に刻んだ。
CBC賞でつかんだ初タイトルは、後の名スプリンター誕生を告げる大きな一歩だった。その鮮烈な末脚は、今なお多くの競馬ファンの記憶に深く刻まれている。そのCBS賞に今年はレッドエヴァンスが登録している。近い将来大きく羽ばたく第一歩となるか。期待したい。
(撮影・文=平松さとし)