2025.07.15
芝の長丁場に欧州の血が騒ぐ、個性を最大限に引き出した初勝利

スタートを決めて、前半は3番手の内でロスなくしっかりと折り合いがつく形。2コーナーで早めに捲ってきた馬を慌てることなくやり過ごし、2周目の3コーナーから逃げ馬に並びかけるように積極的なスパートを展開すると、最後は後続に4馬身の決定的な差を広げて先頭ゴール。昨年9月のデビューから11戦目、ついに初勝利を挙げることに成功した。前年に続いて函館リーディングを狙う横山武史騎手の好騎乗に導かれ、長くいい脚を使えるレッドヴァリアートの能力が最大限に引き出された格好だ。父ルーラーシップは長年にわたって重賞ウイナーを輩出し続け、今年だけでもソウルラッシュ、ヘデントールと国内外のビッグタイトルを獲得。一方の母系は祖母に独1000ギニーを制したエレクトラレーンを持つ、ドイツ由来の底力に富んだファミリーでもあり、ここ洋芝の長距離戦において血が騒いだのも偶然ではなかろう。転厩後、芝の長丁場に狙いを定めて勝利に結びつけた加藤公太調教師の手腕も注目に値する。念願の初勝利を機に、その名のとおり、年齢を重ねるにつれて成長による“変化”を示し、いっそう“多様な”レースぶりで我々を楽しませてくれることを願いたい。
レッドヴァリアート
父:ルーラーシップ 母:ガールズバンド 母父:ディープインパクト 栗東・加藤公太厩舎
2025.07.12 函館6R 3歳未勝利 芝2600m 横山武史騎手