2026.10.13
スポニチアネックス
凱旋門賞連覇に沸くアガ・カーン・スタッズ、英チャンピオンズデーは精鋭カランダガン、ライフがスタンバイ
英国競馬の祭典、ブリティッシュチャンピオンズデーが17日に首都ロンドン近郊のアスコット競馬場で開催される。このビッグイベントに、名門アガ・カーン・スタッズが2頭のスターホース、カランダガン(セン5=仏F・グラファール、父グレンイーグルス)と僚馬ライフ(牡3、父シーザムーン)を送り込む。
4日の凱旋門賞は同じくアガ・カーン・スタッズが所有する僚馬ダリズ(牡4、父シーザスターズ)が史上8頭目となる歴史的な連覇を成し遂げ、厩舎全体が大きな勢いに包まれている。この快挙に続くべく、カランダガンは英チャンピオンS(芝1990メートル)連覇、ライフはクイーンエリザベス2世S(芝1600メートル)でのタイトル獲得を目指す。
カランダガンは昨年の英チャンピオンSで2着オンブズマンに2馬身1/4差で快勝し、レーティング130ポンドで世界ランク年間1位に輝いた実力の持ち主。ただ、今年は欧州での3戦中2戦で敗戦を喫し、前走キングジョージ6世&クイーンエリザベスSはカルパナと1馬身半差の2着に敗れた。アガ・カーン・スタッズのレーシングマネジャーを務めるネモネ・ルース氏は「前走後の休養がいい方に出ました」と復調をアピールした。昨年の勝利については「素晴らしいパフォーマンスでした。ジャパンCへの前哨戦と位置付けていたため、10Fへの距離短縮が適切かどうか疑問視する声もありました。しかし、彼はあの日、印象的な走りをしてくれました」と振り返る。
オンブズマンや昨年の3着馬アルマカム、先々週の凱旋門賞2着ベイシティローラー、2走前のサセックスS2着、前走ムーランドロンシャン賞3着などマイル路線で安定した走りを続けるグシュタード、愛チャンピオンS覇者ホタツェルといった強敵との対決が予想され、世界中の注目を集める。
クイーンエリザベス2世Sにはライフが登場。春に仏2000ギニーを制した後、ロイヤルアスコットは軽度の体調不良で見送ったものの前走ジャックルマロワ賞は古馬相手に勝利を収め、2度目のG1制覇を飾った。ルース氏はライフについて、その順応性の高さを強調する。「重馬場の芝で仏2000ギニーを勝ったけどドーヴィルで勝った2戦(フランソワブータン賞、ジャックルマロワ賞)は比較的、速い馬場でした。つまり彼は馬場状態を全く気にしません」と期待を寄せる。初の海外遠征となることについては「輸送は実際、経験してみないと分からない部分はあります。ただ、彼は非常に落ち着いた馬です」と、わずかな懸念を示しつつも馬の気性への信頼をのぞかせた。
アガ・カーン・スタッズの主戦騎手ミカエル・バルザローナ(35)の騎乗停止に伴い、ともにクリストフ・スミヨン(45)との初コンビで臨む。この乗り替わりについて、ルース氏が経緯を説明した。「ミカエルが第1希望だったのは言うまでもないけど彼が乗れないことが、すぐに確定したのでフランシス(グラファール師)と話し合い、彼が提示したリストの中からクリストフ(スミヨン)を選ぶことが理にかなっていると感じました。彼は私たちの組織をよく知っていますし、大レースに強い素晴らしい騎手。凱旋門賞の週も絶好調でしたから」と22年秋まで主戦を務めた腕利きに信頼を寄せる。
凱旋門賞当日にパリロンシャンでフォレ賞に出走し、5着だった僚馬サマンガン(牡3、父ブルーポイント)は登録済みの英チャンピオンズスプリントS(芝1200メートル)の出否について「馬場状態が適切であれば出走させます」との方針だ。
また、1981年の英ダービー馬シャーガーが英国競馬殿堂入りが5日に発表され、チャンピオンズデー当日にアスコットで表彰される。故アガ・カーン4世殿下が所有し、英ダービーの10馬身差Vは今なお語り草となっている。ルース氏は「シャーガーは象徴的な馬です。アガ・カーン殿下はシャーガーのダービー勝利が最も誇らしいレースの一つだと、よく話されていました。当時の殿下は比較的、若い馬主で、あんな勝ち方でダービーの勝利を収めることは異例でした。アガ・カーン・スタッズはシャーガーを競走馬として記憶に残す、あらゆることを常に歓迎しています。それが私たちの望む記憶の残し方だからです。ザラ王女とご家族は、この殿堂入りを大変光栄に思われているでしょう」と、レジェンドへの敬意と喜びを口にした。
凱旋門賞のダリズの快挙に続き、アガ・カーン・スタッズの精鋭が栄えある舞台でどんなパフォーマンスを見せるのか。連覇が懸かるカランダガン、夏のG1制覇をステップに飛躍を期すライフ、そしてシャーガーの殿堂入り。秋が深まるアスコットはアガ・カーン・スタッズにとって、きっと記憶に残る一日となる。