2026.09.28
スポニチアネックス
【スプリンターズS】ピューロマジック 三度目の正直で逃げ切りV! 岩田望&安田師「ダブル父子制覇」
“夏のヒロイン”が、一気に頂点に駆け上がった。秋のG1シリーズ開幕戦「第60回スプリンターズS」が27日、中山競馬場で行われ、岩田望来(26)騎乗の9番人気ピューロマジックが逃げ切ってG1初優勝を飾った。鞍上の岩田望と管理する安田翔伍師(44)は、ロードカナロアで12、13年の当レースを連覇した岩田康誠&安田隆行元調教に続く“ダブル”父子制覇を達成した。
中山名物の急坂を“パワー!”で駆け上がった。ゴール前は3頭が横一線。逃げ粘るピューロマジックにワールズエンド、サウンドモリアーナが襲いかかる。最後は鞍上渾身(こんしん)の左ステッキに応えたピューロが首差振り切った。2年連続で8着に敗れた舞台で“三度目の正直V”。岩田望は「うれしい気持ちです。最後は根性とパワーでした。スタートは半歩くらい遅れて出たが前走より抑えながら入れたし、馬のバランスもリズム良く行けた。オーバー(ペース)になり過ぎないように、何とか耐えてくれた」と激闘を振り返った。
“ダブル父子鷹V”だ。13年前、伝説の名馬ロードカナロアが当レースを連覇。その背中には望来の父・康成がまたがっていた。岩田望は「親子制覇ですし、大外枠という不利な枠で勝てて良かった。(ロードカナロアは)挑戦者の身で外5頭目から力でねじ伏せた。僕は逆ですけど、粘り腰で」と笑みを浮かべた。くしくもカナロアを管理していたのは安田翔伍師の父・隆行元調教師。カレンチャン、ダノンスマッシュなど数々の名スプリンターを育て上げた。
24年の隆行厩舎の解散に伴い、父からピューロマジックを引き継いだ翔伍師。「転厩で管理させていただくことになった時は、人間の意思が伝わらないくらいの気性の荒さ。我慢を求めてもそれに応える精神力ではなかった」と振り返る。そこから試行錯誤しながら経験を積ませ、メンタルの成長を促した。「少し息を入れたら楽なんだよと教えたかった。より速い馬がいるレースを、とドバイ(アルクオーツS5着)を選んで、後ろから運んだら思った以上に脚を使えた。去年のスプリンターズSも馬の後ろで引っかかることなく我慢できた。そういう経験を経て、我慢が利く逃げができるように。馬が良い精神状態を保ってくれた」。
その言葉通り、夏始動戦の函館スプリントSを快勝。続くアイビスサマーダッシュでは芝1000メートルの日本レコード(53秒5)を打ち立て連覇を達成した。夏3戦目のセントウルSでも2着に好走し、サマースプリントシリーズ王者のタイトルをゲット。同じく初のサマージョッキーズシリーズチャンピオンに輝いた岩田望との夏絶好調コンビで、大仕事をやってのけた。
今後は暮れの香港遠征が視野に入る。“定位置”から押し切って、名実ともに最強スプリンターの勲章を手にしたピューロマジック。これからも“ヤー!”と全速力で駆け抜ける。
◆ピューロマジック 父アジアエクスプレス 母メジェルダ(母の父ディープインパクト) 21年2月18日生まれ 牝5歳 栗東・安田厩舎所属 馬主スリーエイチレーシング 生産者・北海道新冠町の村田牧場 戦績22戦8勝(重賞6勝目) 総獲得賞金4億4141万7300円 馬名の由来は聖なる、純粋な(スペイン語)+可能にすること