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2026.09.15

スポニチアネックス

【追憶の柴田善臣 G1・9勝目】14年安田記念ジャスタウェイ 須貝師との同期愛 代役騎乗9センチ差V

 JRA騎手の柴田善臣(60)が15日、現役引退を表明した。デビュー42年目でJRA・G1勝利は9回。当時の“ヒーロー原稿”をもとに振り返る。9勝目は14年の安田記念。ジャスタウェイとのコンビだった。これまでG1・8勝の単勝人気を勝利順に並べると2、5、4、6、4、4、8、7番人気。最初で最後の1番人気での勝利となった。

14年、第64回安田記念でジャスタウェイ(牡5)でレースを制し、ファンの声援に応える柴田善臣騎手

1着 ジャスタウェイ   牡5 58柴田善

2着 グランプリボス   牡6 58三 浦

3着 ショウナンマイティ 牡6 58北村宏

 全身泥んこで飛び込んだゴール板。ジャスタウェイの馬上で、デビュー30年目の柴田善も確信を持てずにいた。「届いたとは感じたけど…。ゴーグルが汚れ過ぎ、はっきりとは分からなくて」

 最終4角で馬群の中の12番手。馬場の良い外に出したくても、外は馬群の壁。やむなく内に切り替え、魂の左ステッキで追いまくった。先に抜け出したグランプリボスを、最後の最後で捉えた。わずか9センチの鼻差。絶体絶命の大ピンチから世界の鬼脚が火を噴いた。

 柴田善と須貝(尚介)師は、競馬学校騎手課程1期の同期。「同期で、G1を獲りたいね」。騎乗停止中の福永に代わるピンチヒッターのオファーに巧腕で応じた。13年毎日王冠2着以来の騎乗となった柴田善は「体力は元々あった。パドックでも以前より落ち着いていたし、精神的な部分の成長が凄い。道悪に何度も脚を取られ、普通なら諦めるようなところから、馬が最後まで抜かそう…と諦めなかった。偉い馬です。本当に偉い。世界一の馬に悪い成績を付けず、ホッとしてます」と精神力を称えた。

 13年天皇賞・秋、前走ドバイデューティフリーに続くG1機会3連勝。悪馬場をはねのけ、1番人気の重圧から解放された須貝師は胸をなで下ろし、笑顔を見せた。「(検量室の)着順掲示板を見て、初めて勝ったんだ、と。ゴールの瞬間は分からなかった。ホッとしました。ドバイであれだけのパフォーマンスをした馬。安田記念を選んだ以上は負けるわけにいかなかった」と振り返った。