2026.08.31
スポニチアネックス
【中京2歳S】前川恭子師が快挙!女性初のJRA重賞V 1番人気ジーティーマイカで完勝「ホッとした」
歴史的な勝利――。夏の中京開催を締めくくる2歳重賞「第2回中京2歳S」が30日に行われ、1番人気ジーティーマイカが差し切りV。新馬戦に続く連勝で重賞初制覇を飾った。管理する開業2年目の前川恭子師(49)は12度目の重賞挑戦で、JRA女性調教師初のタイトル獲得となった。G1馬5頭がそろったサマー2000シリーズ最終戦「第62回新潟記念」はゾロアストロがきさらぎ賞に続く重賞2勝目。2着にロデオドライブが続き、3歳馬のワンツー決着となった。
圧倒的な強さで、歴史に残る大きな1勝をつかみ取った。ジーティーマイカを送り出した開業2年目の前川師は、12度目の重賞挑戦でJRA女性調教師初となる重賞制覇を達成。殊勲の人馬を迎える検量室前では多くの関係者から温かい祝福の声や握手を求められるシーンが広がった。前川師は「ホッとしたという気持ち。調教が良かったし、文句のつけるところがないぐらい順調に来ていましたから。勝てるだろうと思っていたので、ホッとしました」と単勝1・7倍の断然人気に応え、胸をなで下ろした。
大外9番枠から出負け気味のスタート。無理せず後方の外めでじっくり脚をため、抜群の手応えで直線へ。トップギアに切り替わると上がり3Fは最速33秒0をマークし、重賞初Vのゴールへ飛び込んだ。勝利に導いた松山は「距離延長だったのでポジションは意識せず馬の後ろで(脚を)ためられました。自分のリズムで動けたし、馬がしっかりと応えてくれました」とパートナーを称える。記念すべき勝利については「僕がこうして騎乗させていただいて凄くうれしい。調教もうまく組んでくださって(馬が)落ち着いて挑めたし成功していると思う」と指揮官の手腕を評価した。
前川師は23年12月、調教師試験5回目(2次試験は2回目)の受験で狭き門を突破。開業2年目の今年は順調に勝ち星を積み重ね、昨年の7勝を超える14勝。「去年は思ったほど結果を残せなかったけど、(今は)凄く厩舎がまとまっていい雰囲気ですよ。それが結果につながっている」。好調ムードの中で手にした歴史的勝利には「走るのは私ではないですけど、注目していただいて応援してくださっているのはうれしい限りです」とはにかんだ。
夢が大きく広がる無敗2連勝での重賞制覇。前川師は「阪神JF(12月13日)が目標になると思いますが、レースを挟むかどうかはオーナーと相談して決めたい」と今後を見据えた。父シスキンにもJRA重賞初制覇をプレゼントした才女と、若き女性トレーナーはさらなる高みを目指していく。
≪地方、海外では女性調教師活躍≫地方競馬ではこれまで11人の女性調教師が誕生、9人が現役で活躍している。重賞制覇も珍しくなく、川崎の安池成実師(66)は05年の桜花賞(浦和)をミライで制覇。浦和の平山真希師(46)はエンパイアペガサスとナニハサテオキで計4勝を挙げている。ばんえい競馬の谷あゆみ師(60)は7月にばんえい大賞典を制し、同競馬史上初めて女性調教師の重賞制覇を成し遂げた。海外では13&14年凱旋門賞馬トレヴを管理したクリスチャン・ヘッドマーレック師(引退)、オーストラリアで殿堂入りしているゲイ・ウォーターハウス師など数多くの女性トレーナーが活躍。今年、米国のケンタッキーダービーはシェリー・ドゥヴォー師が管理するゴールデンテンポで勝ち、女性調教師初Vの快挙となった。
≪矢作師も祝福「もっと伸びる」≫前川師は厩舎開業前に世界のYAHAGIの元で研修。“弟子”の重賞初制覇に、矢作師は「あの馬は難しさのある馬だけど、しっかり考えて調教している。全体的にも女性らしい、きめ細やかな管理をしているように感じるし、もっと伸びる調教師だと思う。弟子のようなものだし、お世話になっている田畑(利彦氏)会長の馬だから俺も凄くうれしい」と祝福した。
▼今村聖奈 おめでとうございます。凄いと思います。土曜に(8月29日新潟3R・キムケンシーサー)初めて勝たせてもらいましたが、今後は重賞とかでもコンビを組んで、頑張っていければと思います。
◆ジーティーマイカ 父シスキン 母ベルカプリ(母の父ダイワメジャー)24年3月11日生まれ 牝2歳 栗東・前川厩舎所属 馬主・田畑利彦氏 生産者・北海道洞爺湖町のレイクヴィラファーム 戦績2戦2勝(重賞初勝利) 総獲得賞金4211万5000円 馬名の由来は「冠名+花が舞う」。
◇前川 恭子(まえかわ・きょうこ)1977年(昭52)4月9日生まれ、千葉県富里市出身の49歳。筑波大卒業後、牧場で経験を積み、03年7月にJRA競馬学校厩務員課程入学。同10月から栗東・崎山博樹厩舎で厩務員を経て調教助手。ウエスタンダンサーの担当スタッフを務め、08年京阪杯を制した。厩舎解散に伴って19年3月に坂口智康厩舎へ。23年12月、調教師試験に合格し、JRA初の女性調教師となった。25年3月に厩舎を開業、同月23日の阪神4RミトノオルフェでJRA初勝利。JRA通算428戦21勝(うち重賞1勝)。