2026.06.12
スポニチアネックス
武豊と田中博師の絆でシックスペンス安田記念V
【競馬人生劇場・平松さとし】7日に行われた安田記念(G1)を制したのはシックスペンスだった。この転厩馬を管理するのは田中博康調教師。騎乗したのは、ご存じレジェンド・武豊騎手だ。実はレース4日前の水曜日、田中博調教師が武豊騎手に直接電話をかけ、騎乗を依頼していたという。その経緯を次のように明かした。
「本来は別の騎手で参戦する予定だったのですが、ユタカさんが乗る予定だった馬が回避すると聞き、“それなら”と思って連絡させていただきました」
武豊騎手に白羽の矢を立てた理由については、こう続ける。
「ユタカさんはどんな馬でもうまく乗ってくれますが、今の東京競馬場の馬場傾向や、今回は先行して粘り込む競馬を考えていたので、まさにピッタリだと思いました」
結果は期待通りだった。武豊騎手とシックスペンスは2番手からレースを進めると、ゴール前で力強く抜け出して先頭へ。見事に春のマイル王の座を射止めた。
2人の出会いは11年にさかのぼる。騎手だった田中博調教師は、成績不振を打開するためフランスへ渡った。約9カ月にわたり現地で学ぶ中、毎年のようにフランスを訪れていた武豊騎手とドーヴィルで対面。意気投合した2人は、その後も各地で顔を合わせるようになった。田中博調教師は当時をこう振り返る。
「世界を舞台に戦ってきた経験値が違うので、話すことすべてが勉強になりました」
だからこそ、調教師として開業した際、胸に秘めていた思いがあった。
「いつかユタカさんに乗ってもらい、一緒に大きなレースを勝ちたい」
その願いが実現したのが、安田記念での優勝劇だった。しかし、物語はこれで終わりではない。むしろ始まったばかりといえるだろう。シックスペンスには海外遠征の可能性もある。海の向こうで、このコンビの活躍が見られるかもしれない。今後の挑戦に期待しよう。(フリーライター)