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2026.02.27

スポニチアネックス

藤岡佑介 3・1調教師転身へ!28日がラスト騎乗 22年の騎手人生「あっという間」心残りは…

 喜びも悲しみも、たくさん経験した騎手人生だった。G1・2勝を含むJRA通算1109勝を挙げ、来月から調教師に転身する藤岡佑介(39)が28日の阪神で騎手としてのラストデーを迎える。競馬一家で育ち、04年のデビューから重圧や葛藤と闘い続けた22年間。最後の華やかな表舞台に立つ。藤岡の成長を見守ってきた師匠・作田誠二氏(76)が手記を寄せ、騎手としてのキャリアにピリオドを打ち、新たなステージを迎える弟子にエールを送った。調教師は東西合わせて7人がラストウイークを迎える。また、3枚の桜花賞切符を懸けた「第33回チューリップ賞」は佐賀から参戦するサキドリトッケンに注目!

来月1日から調教師へ転身する藤岡騎手(撮影・中辻 颯太)

 来月1日から調教師に転身する藤岡が22年間の騎手人生に終止符を打つ。飾らず、正直で自然体。騎手としての終着点を前にしても、「あまり普段と(心境は)変わりなくて、いつも通りです。振り返ると、あっという間でした」と爽やかな表情で切り出した。

 父は健一師で、弟の康太さんもJRA騎手として活躍した競馬一家。04年のデビューからJRA通算1109勝を積み重ね、G1は18年NHKマイルC(ケイアイノーテック)と24年フェブラリーS(ペプチドナイル)で2勝した。一頭一頭と真剣に向き合い、それぞれに思い出がある。中でも父が管理した逃げ馬ジャックドールは22年に金鯱賞、札幌記念を制したが親子でG1を勝てなかったことが心残り(23年大阪杯は武豊騎乗)。「(父に)この業界に導いてもらって一緒に仕事ができたので、一つ形として残すことができれば最高でしたけど、それがかなわなかったのは残念です」と悔しさをにじませる。

 デビュー当初は勝利にこだわる競馬に徹したが、キャリアを重ねる中で考えも変わった。藤岡は「競馬はギャンブルの側面で支えられている部分があるので、一番に求められるのは結果ですし、そこにこだわるのは大事なこと」と前置きした上で、「興行的な側面もある」と伝える。「フェアではない不利であったり、事故があったりすると、ファンの方々が純粋に楽しめない部分も大きいと思うので、そのようなことがないように心がけた上で、馬の能力を発揮するのが僕らの仕事。お客さんがあっての競馬なので」と騎乗に対する熱い思いを明かした。

 年間を通して、制裁点数が少ない騎手に贈られるフェアプレー賞は23年から3年連続で計6回、受賞している。両方の側面とバランスを保ちながら、最前線で競馬界を引っ張ってきた。「プレーヤー側(騎手)は凄い葛藤がある。どっちが正しいというわけではないけど、それぞれが矜持(きょうじ)というか、うまく線を引きながらやっているんだと思います」と続けた。

 24年4月10日に弟の康太さんが落馬事故で亡くなった。想像を絶する苦しみの中でも、前を向いて歩き続けた。これまで培った経験は次のステージでも、きっと生きるはず。騎手としてのラストは土曜阪神で7鞍。9R・松籟Sは前走9着から巻き返しを図る父の管理馬スピードリッチで勝利を狙う。「前走は(直線で)スペースがなかった。阪神は実績があるし、乗りやすい馬なので距離は大丈夫だと思います」と意気込んだ。長かった第1章の集大成。騎手仲間や多くのファンに愛された人格者は最後までフェアプレーを貫く。

 ≪父・健一師照れ笑い「思った以上の成績」≫藤岡佑介の父である健一師(65)は息子について「真面目で研究熱心」と性格を伝える。まだ馬に乗ったことがなかった幼少期はゲームのダビスタに没頭していたようで「僕が(助手時代)伊藤雄二厩舎に所属していたこともあり、エアグルーヴが好きだった。一緒に厩舎に行ったりもした」と当時を振り返った。JRA通算1109勝は、父の想像を超える活躍。「これだけ勝つとは思っていなかった。思った以上に成績を残したと思う」と照れくさそうに語る。明日で息子はステッキを置き、来月から同じ調教師のステージに立つ。「年も離れているので、あまり(競争意識は)ないけど、自分が定年までの残り5年は負けないように頑張る」と笑顔を見せた。

 ≪引退式は28日 阪神最終レース後「メモリアル展示」開催中≫藤岡の引退式は28日に阪神で最終レース終了後、午後4時35分ごろからウイナーズサークルで開かれ、YouTube「JRA公式チャンネル」でライブ配信される。また、来月8日まで競馬開催日に阪神競馬場西3階「ROKKO VISTA」で「騎手・藤岡佑介 メモリアル展示」を開催中。G1・2勝をはじめ、思い出深いシーンを振り返り、弟・康太さんとともに兄弟の軌跡をたどる企画となっている。

 ◇藤岡 佑介(ふじおか・ゆうすけ)1986年(昭61)3月17日生まれ、滋賀県出身の39歳。父・健一氏はJRA調教師。04年に栗東・作田誠二厩舎所属でデビューし、35勝でJRA賞最多勝利新人騎手。05年京都牝馬S(アズマサンダース)でJRA重賞初制覇、18年NHKマイルC(ケイアイノーテック)でG1初制覇。競馬学校の同期に川田、丹内、津村ら。JRA通算1万2338戦1109勝、うち重賞は15日に京都記念(ジューンテイク)を制して49勝。昨年、調教師試験に合格した。1メートル65、52キロ。血液型B。