2026.02.27
スポニチアネックス
ラストウィークの土田師 大久保家が導いてくれたホースマン人生「人に恵まれた」
【さらば伯楽】土田師は78年、大久保洋吉厩舎の調教助手としてホースマン人生のスタートを切った。引退の時が迫った今、胸に去来するのは恩師への感謝。「兄貴みたいな感じかな。親分(洋吉氏)の下でできていなかったら、ここまでやってこられなかったかも」と目を赤く染めながら振り返った。
競馬の世界に飛び込んだきっかけも“師匠”だった。「実家の牧場に大久保洋吉先生の父・大久保末吉さんがよく来てくれた。それで調教師という仕事を知っていたので。中学を卒業して装蹄学校に通っている時、(末吉さんに)調教師になるにはどうすれば良いですか、と聞くと“獣医大に行け”と。それでこの世界へ。大久保一家には本当にお世話になりました」。
92年に美浦で開業、今年で34年目となる。大久保洋吉厩舎で学んだ「自分らしく、偉ぶらず」をモットーに走り続けてきた。「親分の下で、助手の時は(いろいろ)任せてもらっていた。本当にやりやすかった」。自主性を重んじるスタイルは自厩舎にも継承した。「人に恵まれた。スタッフが皆、頑張ってくれたからやってこられた」とうなずく。
ダート路線を中心に中央重賞4勝。指揮官は「皆、名前の通りだねって言う。“土”田だから」と笑いを誘う。97年にはマイルCS南部杯をタイキシャーロックでV。「初めて重賞を勝った馬。どの馬も思い出はあるけど、貢献してくれた」と懐かしんだ。
3月3日の定年引退まで、残された時間はわずか。「まだ実感はないです。変わりなく、毎日同じことをやってますからね」。最終週は8頭が出走。最後の瞬間まで、自分らしく駆け抜ける。
◇土田 稔(つちだ・みのる)1955年(昭30)6月23日生まれ、北海道三石町(現・新ひだか町)出身の70歳。実家は生産牧場。北里大学獣医学部卒。78年から大久保洋吉厩舎で調教助手。92年に調教師免許を取得。93年開業。JRA重賞は98年エルムS(タイキシャーロック)で初制覇。