2026.02.20

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【フェブラリーS】ホクトベガの悲運知る元相棒・加藤和宏騎手のドバイでのひと言

 【競馬人生劇場・平松さとし】今週末、東京競馬場ではフェブラリーSが行われる。1996年にこのダートのビッグレースを制したのがホクトベガだ。

93年のエリザベス女王杯で優勝したホクトベガと加藤和宏騎手

 若き日のレジェンド・横山典弘騎手とダート戦線を無双した名牝だが、初のG1勝ちはさかのぼること3年前、93年のエリザベス女王杯(G1)。芝のこのレースで手綱を取っていたのは加藤和宏騎手(現調教師)だった。ダートとの二刀流で活躍するようになってから彼の手を離れたが「常に気にはしていました」と言う。それだけに97年のドバイワールドC(G1)で星と消えた時は「どこにあるのかも分からない遠い異国でのアクシデントはかわいそう」と感じた。

 ところが3年後の2000年、加藤騎手もドバイへ渡ることになる。99年に初コンビを組んだのがワールドクリークだった。最初は一度きりの代打騎乗という話だったが、ここを勝利したことにより連続で声がかかると3連勝。続く東京大賞典ではこんなエピソードがあったと打ち明けてくれた。

 「有馬記念が終わったら家族で旅行する予定を入れていたのですが、3連勝したので東京大賞典も乗ってくれという話になりました」

 有馬記念から翌年の金杯までの間は、JRAの騎手にとって唯一といっていい長期で休める期間だった。家族サービスを優先しようとした加藤騎手に「仕事をしていいよ」と言ってくれたのが、息子の士津八君(後に騎手、現調教師)だったという。

 こうして東京大賞典も騎乗すると見事に勝利。翌春、ドバイへ遠征することになった。「結果は6着でしたけど、無事に回ってくれたので良かったです」。かつてのパートナーであるホクトベガの悲劇に胸を痛めた一人であるだけに、その言葉には重みを感じた。

 果たして今年のフェブラリーSでは、後の世界へつながる結果が待っているだろうか。先週のサウジC(G1)ではフォーエバーヤングが連覇を飾ったように、ダート界でも日本馬が強くなっただけに、注目して見守りたい。(フリーライター)