2025.12.27
スポニチアネックス
【有馬記念】吉井理人氏 有馬は3歳、名手がまくってくる
球界きっての競馬通2人の見解一致!?今季まで千葉ロッテマリーンズの監督を務め、中央&地方競馬の馬主資格も持つ吉井理人氏(60)が有馬記念の予想に緊急参戦。競馬愛あふれる元メジャーリーガーは、◎ミュージアムマイルで直球勝負の構えだ。また、本紙評論家の赤星憲広氏(49)も3歳ミュージアムマイルを信頼した。
有馬記念にはたくさんの思い出があります。91年は“どうせメジロマックイーン(単勝1・7倍)が勝つやろ”と思って、全く人気のなかったダイユウサク(14番人気)に流したら、馬連7600円を取ることができました。97年はメジャー挑戦でメッツに行くか、条件のいいオファーを頂いた巨人に行くかで迷っているタイミング。本命のシルクジャスティス(4番人気で優勝)がオレンジ帽だったので“この馬が勝ったらメッツに行こう”と考えていました。心の底ではアメリカに挑戦したかったのですが、何かに背中を押してもらいたかったんでしょうね。後から考えたら巨人もチームカラーはオレンジだったんですけど(笑い)。
自分が現役だった時代、馬主を始めた頃と比べれば野球も競馬も世界で活躍する選手、馬が格段に増えました。共通するのは“体格の進化”じゃないですかね。野球はトレーニングの仕方が変わったし、おそらく競走馬もそうやと思うんですよ。デビュー前から血液検査など、かなり科学的なアプローチを行っています。野球なら元々、器用な日本人の技術は世界に通用していましたが、それプラスで体力が欧米の選手に追いついてきた。どちらも育成段階のトレーニングの重要性を感じます。
さて、今年の有馬記念はミュージアムマイルで勝負します。天皇賞・秋(2着)でも本命でした。シルクジャスティスもそうですが、やはり有馬記念は3歳馬が強いイメージ。C・デムーロならうまく流れに乗せて捲ってくれるはず。そういう競馬がハマりやすいコースでもあるので。
2番手はダノンデサイル。総合力ならこの馬かなと。3番手に推したいのはエキサイトバイオ。菊花賞で頑張った3歳馬が好走するパターンはよく見てきたので。ヒモにはタスティエーラ、レガレイラ、メイショウタバルを入れたいと思います。こうなると高配当の鍵はエキサイトバイオが握っていますね。
(近鉄バファローズ時代に同僚だった)新井宏昌さんに連れて行ってもらった京都競馬場で初めて競馬を知りました。真剣に競馬をやったろうと3連単だけを絞って買っていた時期もありましたが、1年間で一度も当たらなかったんです。これは精神衛生上良くないなと(笑い)。やっぱり競馬は当ててなんぼ。馬券は3連複か、単勝で勝負したいと思います。(前・千葉ロッテマリーンズ監督)
【吉井氏の印】
◎(4)ミュージアムマイル
○(9)ダノンデサイル
▲(1)エキサイトバイオ
△(5)レガレイラ
△(6)メイショウタバル
△(16)タスティエーラ
◇吉井 理人(よしい・まさと)1965年(昭40)4月20日生まれ、和歌山県出身の60歳。箕島から83年ドラフト2位で近鉄に入団。88年に最優秀救援投手のタイトルを獲得。98年からメッツ、ロッキーズ、エクスポズでプレーしメジャー通算32勝。07年に現役引退。日米通算547試合121勝129敗62セーブ。引退後は日本ハム、ソフトバンク、ロッテなどでコーチを務め、23年から25年までロッテ監督。13年にJRAの馬主資格を取得。19年1月6日の京都2Rマゼで初勝利。地方でも所有馬が活躍中。
《所有馬リジン2連勝》吉井氏は、24日の浦和12Rで所有馬リジン(牡6)が2連勝を達成と運気は最高潮。「応援に行っていました。また浦和で連勝ができて良かったです」と目尻を下げた。浦和で2連勝後に中央で敗れ、屈腱炎を発症したヤバネ(牡3)は、復帰を目指して懸命に治療中。また、19年にJRA初勝利をプレゼントしてくれたマゼは、現在「マゼブルー号」として青山学院大体育会馬術部で乗馬として活躍している。同氏は「故障をしたからといって簡単には諦めたくないし、引退した後もなかなか知らんぷりはできないですよね。マゼブルーは最近、優勝したとも聞いてうれしかったですよ」と愛馬たちへの思いを語った。