2025.12.26
スポニチアネックス
【有馬記念】3枠6番メイショウタバル 武豊 吉兆「ディープインパクトもドウデュースも赤帽子で勝った」
グランプリの足音が近づいてきた。「第70回有馬記念」(28日、中山)の公開枠順抽選会が25日、東京都港区の品川プリンスホテルで開かれ、出走16頭の枠順が決まった。レジェンド武豊(56)とのコンビで参戦するメイショウタバルは3枠6番に決定。06年ディープインパクト、23年ドウデュースで制している好枠から頂点を目指す。
赤色で記された「6」を引き当てた武豊が小さくうなずく。「良い枠だと思います」と開口一番。「ディープインパクト(06年)もドウデュース(23年)も赤帽子で勝ってますから」。自身4勝中、2勝を挙げている絶好“赤帽”を手にしてその目に闘志が宿った。
全体5番目の登場。抽選ボールから「メイショウタバル」が出ると、会場から大歓声が上がった。壇上で石橋師と譲り合った末に、武豊が抽選へ。過去【7・6・10・45】、複勝率33・8%の6番枠を引き当て「やってみないと分からないけど、並びは悪くないのでは。真ん中より内がいいなと思っていたけど、こだわりはそこまでなかった」と振り返った。石橋師は「極端じゃなくて良かった。あとはジョッキーに任せます」と名手に全権委任だ。
逃げるのか、それとも控えるのか。報道陣の空気を察してレジェンドは「みんな聞きたくて仕方ない顔してるけど…追い込みでいきます」。戦法はけむに巻いた。
3年ぶりに臨んだ抽選会で存在感を示した。同じ逃げ馬のミステリーウェイが先に11番枠に決定。展開の鍵を握る同型について「この世界は縦社会なので…冗談ですよ(笑い)」と会場を沸かせれば、隣の5番枠に入ったレガレイラの鞍上ルメールには「スタートで邪魔しないでくださいね」とチクリ。「やっぱり盛り上がるよね。相変わらずうまいなと、俺が」と最後まで“豊節”が止まらなかった。
6月の宝塚記念を逃げ切ってG1初制覇。今回は史上12頭目となる同一年グランプリ制覇の偉業が懸かる。8月にこの世を去った先代オーナー・松本好雄さんの思いも胸に臨む一戦。「父(故・邦彦氏)の代から本当に長くお世話になりました。宝塚記念を勝った後、浦河でお会いした時に“わしは有馬が好きやなあ”と。それが最後の話だったので。有馬に懸ける思いを感じて乗りたい」。多くの“夢”を乗せたグランプリが、あと2日で幕を開ける。
≪松本氏特別表彰 息子・好隆氏「誇れる人柄」≫有馬記念フェスティバルではJRA理事長特別表彰の表彰式が行われ、8月に死去した「メイショウ」の馬主・松本好雄氏(享年87)が表彰された。松本氏は8月に個人馬主として史上初のJRA通算2000勝を達成。日本馬主協会連合会会長など要職を歴任し、日本競馬界の発展に貢献した功績を称えて選出された。メイショウタバルを引き継いだ息子の好隆氏は「父はいろんな方に思いやりを持って接し、見ていて凄いなあと思っていました。誇れる人柄を表彰していただき、本当にうれしいです」と感謝。石橋師は「松本会長は有馬記念を獲りたいとおっしゃっていました」と悲願の有馬Vに気合を込めた。