2025.12.22

スポニチアネックス

【有馬記念ver.2.0】夢の全自動選択機

 昨年のスポニチ本紙にて、「(要約)有馬記念出走馬から馬券になる馬だけを全自動で選択してくれる、7層のフィルターの開発に成功」と豪語しましたところ、2着シャフリヤール、3着ダノンデサイル2頭の選択には成功したものの、1着レガレイラは取りこぼし……(※◎はシャフリヤールだったため、馬券は的中)。

何だか買いたくなってきませんか?マイネルエンペラー

 今年こそはとフィルターに改良を加え、7層から8層に増やし、ついに夢の全自動選択機【有馬記念ver.2.0】が完成いたしました。

 それでは2009年以降16回の全出走馬251頭を、このフィルターにかけた結果を見てみます(※[1着・2着・3着・4着以下]。重複あり)。

【A】その年の宝塚記念優勝のノーザンファーム系クラブ所属馬=[3・0・1・1]

【B】その年の天皇賞・春、宝塚記念、ジャパンカップ、菊花賞の1番人気馬=[6・3・9・15]

【C】前走、秋G1優勝の3歳牡馬=[5・0・2・3]

【D】前走、ジャパンカップ5着馬=[0・1・2・3]

【E】C・ルメール騎乗馬=[2・5・2・6]

【F】スクリーンヒーロー産駒=[1・1・1・1]

【G】ハーツクライ産駒=[2・1・2・14]

【H】母、もしくは兄弟姉妹がJRAのG1馬=[4・6・8・24]

 いずれかに該当した馬は[16・16・16・55]、該当しなかった馬は[0・0・0・148]でした。

 今年の出走予定馬をこの全自動選択機【有馬記念ver.2.0】に読み込ませましょう。

【A】【B】【C】該当馬なし

【D】ジャスティンパレス

【E】レガレイラ

【F】【G】該当馬なし

【H】マイネルエンペラー

 連覇を狙うレガレイラが選択されました。グレード制導入の84年以降、連覇を狙った19頭のうち、4歳馬、かつ、その年の出走数がG1優勝を含む3・4走だったのは、85年シンボリルドルフ、99年グラスワンダー、03年シンボリクリスエスの3頭で、すべて連覇を達成していました。

 レガレイラは今年ここまで3戦し、G1エリザベス女王杯を優勝。連覇は濃厚かもしれませんね。

 続いて、ジャスティンパレスですが、前走は東京のジャパンカップで、C・デムーロ騎乗で5着でした。しかしながらこの5着を額面通りに受け取ってはいけません。

 C・デムーロ騎手が超一流の騎手であることに異論はありませんが、彼にも苦手なものはあります。JRAの重賞を137回騎乗して、[16・18・14・89](※12月9日現在)。東京競馬場では最多の35回騎乗していますが、東京以外と東京コースの成績を比較してみます。

【東京以外】[16・15・9・62]

勝率=15.7%

連対率=30.4%

複勝率=39.2%

【東京】[0・3・5・27]

勝率=0%

連対率=8.6%

複勝率=22.9%

 東京では、最多騎乗ながら0勝、すべての数値を落としています。

 C・デムーロ騎手は明らかに東京競馬場が苦手、なのです。

 したがって、ジャパンカップでの着順通りのイメージより、実際はもっと強いという可能性を考慮すべきでしょう。

 そして3頭目は、16回中13回で馬券圏内に送り込んでいる【H】に該当するマイネルエンペラー。5月4日の天皇賞・春以来ですから人気はないですが、オークス馬ユーバーレーベンの弟ですから、買わないわけにはいきません。今年の夢を託す穴馬は、この馬でしょう。

 この馬を買いたくなる3つのポイントを挙げてみます。

【X】「5馬身違う馬に変身?」

 「デットーリが乗ると5馬身違う」。これは社台ファームの総帥・吉田照哉氏が、L・デットーリ騎手の超絶騎乗ぶりに感嘆して漏らしたとされる言葉ですが、マイネルエンペラーの4走前にも1戦だけ騎乗し、8戦勝ちあぐねていた3勝クラスをテン乗りで勝たせました。そして次走、G2日経新春杯で3着、続く有馬記念と同舞台のG2日経賞で重賞初優勝。L・デットーリ騎手に何かを授けられ5馬身違う馬に変身したかのような見違える走りを見せています。

【Y】「ジャスティンパレスに先着」

 その後に参戦した天皇賞・春では8番人気の評価ながら、スタート直後に3番手につけ、2周目1コーナーで2番手にポジションを上げ、向正面ではついに先頭に立つという強気なレースをしながらも、ジャスティンパレスを首差抑え、初G1ながら5着と健闘しました。ジャスティンパレスが買えるなら、この馬だって……。

【Z】「ゴールドシップ産駒の牡馬」

 父は有馬記念を4回走って1・3・3・8着と得意としていましたが、ここまで産駒が有馬記念を走ったのは、21年11着ウインキートス、22年6着ウインマイティーの2頭の牝馬のみ。男性的な猛々しい走りで名をはせたゴールドシップですから、待望の牡馬の出走と言えるでしょう。

 ……なんだか買いたくなってきませんか?自分で書いてて、すっかりその気になってしまったので、今年の◎にはマイネルエンペラーを指名します。

<結論>

 ◎マイネルエンペラー、○レガレイラ、▲ジャスティンパレス3頭を1・2頭目に配置し、3頭目全通りの3連複40点、そして◎からのワイド全通り15点と、複勝を厚く篤(あつ)く熱く。

 ◇綱本 将也(つなもと・まさや)

 1973年(昭48)東京生まれ。漫画原作者で講談社漫画賞受賞「GIANT KILLING」(サッカー漫画)を手掛け、ヤングチャンピオンに競馬漫画「スピーディワンダー」(漫画・山根章裕)を連載(第17巻で完結)。若い頃は競馬で生計を立てていたほどで独自のデータ予想が売り。