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2025.12.13

スポニチアネックス

【香港国際競走】ロマンチックウォリアー4連覇は“通過点” 高すぎる完成度カーインライジング

 海の向こうで開かれる12月の一大イベント、香港国際競走が明日に迫った。4競走に7頭の日本馬が参戦するが、地元・香港勢は実に強力。日本馬に付け入る隙はあるのか?現地出張中の高木翔平記者が決戦の地シャティンから有力ライバルたちの近況をリポートする。

昨年、香港Cを制したロマンチックウォリアー(左)

 香港カップの大本命は当レース4連覇を狙うロマンチックウォリアー。ここまで数々の日本馬の夢を打ち砕き、26戦19勝(24連対)。中距離路線における世界トップ級の実力は疑いようがない。今回、無理やり“ケチ”をつけるなら、骨折明けだった前走後の反動がどうかということくらいか。シャム師は「それほど負担の大きい手術(左前脚の球節にボルトを挿入)ではなかったが、本当に悲しかった。でも、その後は順調な回復を見せてくれた」と振り返った。

 その言葉通り、復帰戦では香港マイルでの人気が濃厚なヴォイッジバブルをあっさり撃破する。9日の最終追いも格の違いを見せつけるような脚さばき。大半の日本馬が6F80秒台でまとめる中、同76秒9は衝撃だった。同師は「前走から大きく状態を上げた。完璧に近いコンディション」と絶好調をアピールする。会見では「来年はサウジCでフォーエバーヤングにリベンジしたい」と早くも来春の話題。ここはあくまで通過点という認識か。

 現地ではロマンチックウォリアー以上の人気を感じるのが15連勝中のカーインライジング。枠順抽選会ではどの馬よりも歓声を浴びていた。スプリントの本場だけに、周囲から集まる敬意も別格。香港スプリントに3頭を出走させるサイズ師は「香港ではあまりに偉大な存在。勝つのは信じられないくらい難しい」と話せば、他の地元勢からも“降伏宣言”といった言葉が並ぶ。各ブックメーカーは単勝オッズを1・1倍よりも低く設定しており、いかにその能力が抜けているかが伝わる。

 最内枠はキャリア19戦目で初めて。それでもヘイズ師は「ブロックされる可能性がある枠だが、スタートが速いのでそうはならないと思う」と言い切る。前哨戦の香港ジョッキークラブスプリントは大外枠から二の脚の違いで一気に2番手へ。この馬が包まれるシーンは想像しづらい。あと2と迫るサイレントウィットネスの香港記録17連勝も余裕に思えてくる完成度。今年、カップとスプリントに挑む日本馬たちの壁はあまりに高い。