2025.12.07

スポニチアネックス

【ステイヤーズS】ホーエリート 39年ぶり牝馬V 戸崎完璧エスコート「素晴らしい馬」

 師走の名物マラソンレース「第59回スポーツニッポン賞ステイヤーズS」が6日、開幕初日の中山競馬場で行われ、戸崎圭太(45)騎乗の2番人気ホーエリートが重賞初制覇。当レースでは86年シーナンレディー以来、39年ぶり2頭目の牝馬Vとなった。

ステイヤーズSを制したホーエリート(撮影・村上 大輔)

 重たい扉がようやく開いた。ホーエリートが86年シーナンレディー以来、当レース39年ぶり2頭目の牝馬V。殊勲の戸崎はゴール後、左手で小さくガッツポーズし、その後、笑顔でサムアップ。「重賞で2着が続いていたので、勝つことができて良かった。牝馬で勝つことができて、素晴らしい馬だと感じています」と相棒を称えた。

 折り合いに不安がなく、操縦性の高さが強み。未知の3600メートル戦だったが、コンビ8戦目で勝手を知る鞍上が勝利に導いた。好スタートから好位3番手を確保。前半1000メートル通過64秒7のスローペースも、人馬に乱れはない。開幕週で奇麗な馬場の内めでレースを進めると、直線で力強く抜け出して押し切った。

 当レース11度目の騎乗で初勝利となった鞍上は「道中はリズム良く折り合いもついて、いい手応えだった。直線ではどこが空くかなというぐらいに余裕があった。追ってからもしっかりと伸びてくれた」と振り返った。先週日曜のジャパンCでゴール入線後に落馬。膝を強打し、その影響も不安視されたが、田島師が「戸崎騎手の好騎乗ですね」と絶賛した巧みな手綱さばきで払拭した。

 同師は「牝馬にとってはタフなレースだけど、この子の持っているスタミナを信じた。不安はあったけど、長いところに対応してくれた」と愛馬の奮闘に感謝した。同馬は重賞で2着3回。念願の初タイトル獲得に「何とか…と思っていたので、ここで結果を出せて良かった」と安堵の表情を浮かべた。

 次走は未定だが「1つ勝つと、2つ3つという形になる」と、明るい未来を思い描いた田島師。惜敗続きに終止符を打った4歳牝馬が、長距離路線の新星に名乗りを上げた。 

 ホーエリート 父ルーラーシップ 母ゴールデンハープ(母の父ステイゴールド)21年4月24日生まれ 牝4歳 美浦・田島厩舎所属 馬主・吉田晴哉氏 生産者・北海道白老町の社台コーポレーション白老ファーム 戦績15戦3勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億4932万2000円 馬名の由来は賛歌、雅歌(ドイツ語、母名より連想)。