2025.11.30

スポニチアネックス

【京都2歳S】ジャスティンビスタ 鮮やか差し切り! 無傷2連勝でいざクラシック戦線へ

 多くの活躍馬を輩出し、新たな登竜門として定着してきた「第12回京都2歳S」が29日、京都競馬場で行われ、北村友一(39)が騎乗した9番人気ジャスティンビスタが後方から差し切りV。デビューから無傷2連勝で重賞タイトルをつかんだ。2着にもブービー10番人気の伏兵アスクエジンバラが入り、大波乱の決着となった。

<京都11R・京都2歳S> ゴール前で差し切るジャスティンビスタ (撮影・亀井 直樹)

 二転三転したゴール前。幕を引いたのは大外から矢のように伸びた伏兵ジャスティンビスタだった。メンバー最速上がり3F35秒0のラストスパートで大混戦に断。殊勲の北村友は「思ったよりいい脚を使ってくれた。しぶとかった」と相棒の持続力を称賛した。

 2歳戦だがペースが緩まず、先行勢が刻んだラップは前半5Fで60秒ちょうど。開催最終週の芝のコンディションを鑑みれば、かなりの消耗戦に持ち込まれた。当初は「器用さに欠けるところがあって早めに動く競馬を」とプランを練っていた鞍上だが、「馬群で動けなかった」と道中は切り替えて後方で体力を温存。その馬群は勝負どころでラップをさらに加速させ、ラスト3Fがいずれも11秒台。スタミナが尽きた先行勢が1頭、また1頭と脱落していく中、ジャスティンビスタだけは気持ち良さそうに末脚を伸ばした。

 21年ジャスティンロック以来の当レース2勝目となった吉岡師も、2着アスクエジンバラに1馬身差をつける完勝に「(ペースが)タイトになっても大丈夫だし、折り合いもつく。悪いところがない。最後の脚も良かった」とご満悦。師は助手時代に角居勝彦厩舎でビスタの父であるサートゥルナーリアを担当。同時期に調教師試験に合格したため、キャリアの途中でその手を離れたが、今度はその息子と王道を歩むことになる。「調教からも未完成で、まだまだ伸びしろがあると思う」と無限大の可能性に思いをはせた。

 北村友も思いは同じで「前回から今回にかけて凄く良くなっていたので、また次回それ以上に良くなってくれるのでは」とポテンシャルを高く評価する。京都2歳Sは直近の勝ち馬シンエンペラー、エリキングもクラシック戦線で活躍した登竜門。「僕も馬も上を目指して頑張っていきたい」と力強く締めくくった。

 ◆ジャスティンビスタ 父サートゥルナーリア 母ペブルガーデン(母の父ディープインパクト)23年4月9日生まれ 牡2歳 栗東・吉岡厩舎所属 馬主・三木正浩氏 生産者・北海道新ひだか町のタイヘイ牧場 戦績2戦2勝(重賞初勝利) 総獲得賞金4089万2000円 馬名の由来は冠名+展望(イタリア語)。