2025.11.23
スポニチアネックス
【福島記念】ニシノティアモ 4連勝で重賞初制覇 津村絶賛「もっと大きいところを狙いたいと思える強さ」
秋の福島の名物ハンデ重賞「第61回福島記念」が22日の福島11Rで行われ、上がり馬ニシノティアモが押し切りV。鮮やか4連勝で重賞初制覇を飾った。鞍上の津村明秀(39)はヤマカツエースと臨んだ15年以来、10年ぶりの当レース勝利。管理する上原佑紀師(35)は、ピコチャンブラックで制した今年のスプリングSに続く2つ目のタイトル獲得となった。
ニシノティアモが破竹の4連勝で初タイトル。新スター候補の誕生に、競馬場のファン1万6683人が沸いた。ともに連勝街道を走る津村は「こっちがびっくりするくらいの勢いで馬が良くなっている」とパートナーの急成長に感服。続けて「もっと大きいところを狙いたいな、と思える強さだった。夢が広がるようなレースができた」と賛辞の言葉を並べた。
鞍上の好判断が勝敗を分けた。最初の直線半ばまでは好位追走。だが、ペースが遅いと見るやいなや、津村は愛馬を2番手まで押し上げた。道中はゆったりしたラップでもきっちり折り合いをつけて、4角では手応え抜群。逃げたバビットをあっさりかわすと、後続の追い上げも楽々封じた。
レースを見守った上原佑師は「正直、自信はありました」と、してやったり顔だ。後方から鮮やかに差し切った前走(甲斐路S)とは対照的な先行押し切りV。「ためてもいいし位置も取れる。操縦性の高さが生きたレースだった」と能力の高さに感嘆した。
疾患があった喉の手術をしてから“覚醒”。「前までは馬体重が減ってしまうところがあったけど、今は体質が強くなって、しっかり調教を積めるようになった」とトレーナーは一変を実感している。次走は未定。ただ「2000メートルを勝てたことは大きい。レース選択の幅が広がった」と師が話す通り、ティアモの未来は明るい。3代母はG13勝ニシノフラワー。名牝の血を継ぐ4歳牝馬の素質が、ついに花開いた。
ニシノティアモ 父ドゥラメンテ 母ニシノアモーレ(母の父コンデュイット)21年3月12日生まれ 牝4歳 美浦・上原佑厩舎所属 馬主・西山茂行氏 生産者・北海道新ひだか町のタツヤファーム 戦績12戦5勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億1393万7000円 馬名の由来は冠名+愛している(イタリア語)。