2025.11.01
スポニチアネックス
【天皇賞・秋】高速ラップで切れ味増すミュージアムマイルの末脚 コンビ復活も心強い
土曜付企画「G1展開王」は数多くある予想ファクターの中から、展開面にスポットを当てて勝ち馬をあぶり出していく。「第172回天皇賞・秋」は大阪本社・新谷尚太が担当。現役最強クラスの中距離巧者が府中芝2000メートルに集結。グランプリホースがつくるペースに着目し、その流れにマッチする3歳クラシックホースに本命を託す。
今年の逃げ候補は2頭。昨年逃げたホウオウビスケッツは前半5F59秒9のスローペースで3着に粘ったが、これまでの戦績から控えても競馬はできる。一方、宝塚記念を逃げ切ったメイショウタバルはマイペースで運びたいタイプ。外枠13番から無理に出して行くことはないだろうが、武豊のリードでじわっと先頭に立つ。宝塚記念の前後半5Fは59秒1→59秒8(やや重)。今回もペースは落とさず、締まった流れを演出する。
宝塚記念は残りの5Fから1F地点まで4F連続で「1F11秒台」のラップが続いた。一気にペースアップするというよりは長く脚を使えるかが、タバルの逃げを攻略するポイントになる。その流れを歓迎するのが◎ミュージアムマイルだ。
クラシックタイトルを手にした春の皐月賞は残り5Fからゴールまで「1F11秒台」の速いラップが続いたが、長く脚を使って差し切った。続くダービーは残り5Fから12秒5→12秒2とペースが上がらず、ラスト3Fが11秒台のラップ。ヨーイドンの瞬発力勝負になり、位置取りやペースアップへの対応が求められる展開。4角10番手から追い上げるも6着が精いっぱいだった。
秋初戦のセントライト記念Vも残り5Fからゴールまで1F11秒台の速いラップ。ミュージアムマイルにとっては得意な流れだった。同期のライバルとなるマスカレードボール(皐月賞3着、ダービー2着)とは春のクラシック2冠で対戦して1勝1敗。ダービーでは先着されたが、皐月賞のような流れになれば逆転可能だ。
コンビ復活となるC・デムーロとは【1・1・0・0】と好相性。初騎乗だった昨年の黄菊賞は勝負どころから早めのスパートで3馬身差の快勝。続く朝日杯FS(2着)はスタートで出遅れながらも序盤で好位まで浮上し、スムーズに流れに乗った。しっかりポジションを取り、流れに乗せることができる名手の存在は心強い。直線は粘る先行勢の背後から長く脚を使って接近。パートナーの持ち味を最大限に生かし、きっちり差し切る。