2025.10.05

スポニチアネックス

【凱旋門賞】陣営のひと言

 <1>ジアヴェロット(ボッティ師)絶好調ですよ。追い切りはニューマーケットのトレーニングセンターの芝でマーフィー騎手に乗ってもらって「完璧」と言ってくれた。この馬は常に全力を尽くす。その安定感が強み。欧州屈指のステイヤーだと思っているし、キャリアを通じて無理をさせていないのでフレッシュな状態で走れる。良馬場の方が力を発揮できるので、できるだけいい馬場でやりたい。

 <2>ホワイトバーチ(マーフィー師)昨年8月にケガをしてから長い間、休んでいたのは今年の競馬に集中させるため。復帰後、出走回数が少ないのは硬い馬場で走らせることのリスクを避けたかったから。この夏は本当に馬場が硬すぎたので。常に凱旋門賞を念頭に置き、慎重を期した次第。休み明けの前走は5月以来の出走で内容には満足しているし、1回使って調子はかなり上がっている。去年もケガしていなければ凱旋門賞を走っていたと思う。とても素直な馬で流れに乗るのは得意。スタミナは十分だよ。

 <3>アローイーグル(デュボスク助手)今季はフォワ賞で始動し、凱旋門賞に駒を進めようと当初は考えていた。しかし、フォワ賞で精彩を欠いたことから調教師はコンセイユドパリ賞(19日)の出走を検討したけど、そこは強力な顔触れになる見込みで断念。今週月曜にポー調教場での追い切りが完璧で、今週出走のゴーサインが出た。今は戦闘モードに入っているし、渋った馬場も好材料。チャンスがあってもいい。

 <4>ソジー(レーシングマネジャーのピエール=イヴ・ビュロー氏)元々、恵まれた馬体だったけど昨年と比べると力強さがさらに増している。今シーズンも頂点を争うために、しっかり仕上げてきた。2走前は残念な結果だったけど前走で挽回してくれた。休み明けとしてはいい走りだったし、この馬の素質を知っているので特段、心配はしていない。前走後、全てが順調で最高の状態。力を存分に発揮してくれると信じている。

 <5>ロスアンゼルス(A・オブライエン師)昨年3着で今年もここに起用すると決めていた。今年はタタソールズゴールドCを勝ってくれたけど続くプリンスオブウェールズSは思い通りの結果にならず。秋に備えて少し休養させるつもりでいたけど、なかなか本来の調子を取り戻せず、フォワ賞は十分に仕上がっていなかった。もう1週あれば…という仕上がりだった点を踏まえると結果に不満はない。今週の調教の動きを見ると本来のレベルに戻っている。最高の仕上がりで出走できそうだし、渋った馬場もいい方に出ると思う。

 <6>ビザンチンドリーム(坂口師)前走でいい勝ち方ができて、本番が楽しみになりました。1回使って状態はもう一段か二段くらい上がっていると思います。馬は凄くフレッシュで、いい状態ですよ。

 <8>キジサナ(グラファール師)距離は問題ないと思う。ただ、あまりに力のいる馬場になると順応できるとはいえ好ましくはない。大柄でスピードがあるので、できれば極端に重くない、それなりの馬場状態であってほしい。この馬は跳びが大きいし、ペースが落ち着いたりでラチ沿いや中団に押し込められると良くない。気分良く走らせることが大事。

 <9>カルパナ(ボールディング師)今季はまだ思ったように結果を出せていない。何とか巻き返したい。前走は息切れしたようだね。ただ、何とか乗り切って順調に仕上がった。軟らかい馬場の方がいいので天候が味方してくれることを願っている。

 <10>アヴァンチュール(フェルラン師)2着だった昨年と比べて体がひと回り成長した。冬の休養がとても良かったようで春になってからも成長を続け、パワーアップしている。とはいえ一番の変化は気性面。昨年3歳の頃から既に成熟していたけど、さらに落ち着きが増し、競走馬らしくなって全体的に質が高まった。前走でG1を勝てたことで安堵(あんど)するとともに、ようやく達成感を感じた。前走でも既に高いレベルにあったけど、そこから中3週で状態はさらに良くなるとみていたし、健康面に何ら問題はなく当日は能力を最大限に発揮できる、最高の状態で出せるのでは。やるべきことはやり切った。たとえ馬場が軟らかくなっても、この馬にとっては割引どころか大歓迎。枠順が鍵でしょう。

 <11>ダリズ(グラファール師)前走は休み明け初戦としては、いい走り。軟らかい馬場にも対応できるか確認し、好走すれば凱旋門賞に挑戦しようと思っていた。最大の武器は加速力。この距離で走ったことはないけど血統的には、むしろ適性があると思う。懸念があるとすれば、まだ若く気性面で未熟なこと。かなり緊張するタイプなので、このような大レースはまだ早いかもしれない。

 <12>ルファール(JC・ルジェ師)前走は6着に終わったけど、だからといって、あれがこの馬の実力というわけではない。実は背部に不安があったんだ。その後は全て順調に回復し、月曜の追い切りに乗ったクリスチャン(C・デムーロ)も「前走よりいい」と言っていた。その日は馬場がかなり軟らかく、しまいの時計は速く感じなかったけど、むしろそれで良かったと捉えている。良馬場だと跳ねるような走りをするし、そういう時は翌日が難しくなるからね。切れ味があるので、なるべくいい馬場で走らせたい。今一番大事なのは四肢がしっかりしていること。それだけでも大きな好材料だよ。

 <13>クアリフィカー(仏ゴドルフィン厩舎レーシングマネージャーのルイーズ・ベルナール氏)前走を勝ったことで距離も軟らかい馬場も何ら問題がないと証明。ビュイック騎手がこの馬をよく知っていることにも助けられた。使って調子を上げるタイプ。前走後は全てが順調でトレーナーも満足している。馬場状態は一切、気にならない。

 <14>ホタツェル(J・ハリントン師)2歳馬がマイルのG1(フューチュリティトロフィー)を勝てば距離を克服できると考えていたし、凱旋門賞挑戦はかなり早い段階で決めていた。前走はゴール前まで伸びていたのは、この馬だけ。ラスト1Fは凄くいい脚だったし、2走前も同じような脚を見せた。距離が延びた方が力を出せるはずだし、それなら一年で最もタフなレースに挑戦するのもいいかな、と考えた。選択肢は限られているので、ここに起用。前走後も好調をキープ。極端な不良馬場にさえならなければ渋った馬場にも対応できる。

 <15>クロワデュノール(北村友)今週の追い切りは求めていたことができて、いい追い切りだったと思います。前走の最終追い切りと比べると格段に良かったのではないかなと。(17番枠は)非常に難しい枠だと思います。自分の中でも凱旋門賞のイメージをなんとなくつくってきたけど、そのイメージをつくり変えないといけないと思います。

 <16>アロヒアリイ(田中博師)追い切りはルメール騎手の紹介でパスキエ騎手に騎乗してもらいました。少し馬場が緩かったけど無理をさせず、競馬に行った時に馬が走りたいと思えるくらいの感触を意識して追い切りました。いい状態で出せるよう当日まで調整したい。枠はいいところ。内に越したことはないと思うし、並びを見ても大きな支障はないと思います。ゲートがそれほど速くないので枠のメリットを生かせるようジョッキーと相談したい。

 <17>ミニーホーク(A・オブライエン師)段階的に成長させるプログラムを組んでいたため春の時点では凱旋門賞に登録せず、追加登録で起用。今季は一戦ごとに力をつけている。前走は非常に強い勝ち方。この時期、3歳牝馬が古馬と十分に戦えることは歴史的にも証明されている。成長を続ける、この牝馬で凱旋門賞に挑戦するのは本当にエキサイティング。メンタルが強く、スタートがいいので、すぐにいい位置を取れる。クリストフ(スミヨン)とは初コンビだけど1週前に訪ねてきて、感触を確かめてくれた。とても勢い良く走らせて、好印象を得たようだよ。前走の疲れもすっかり抜け、仕上がりには満足している。

 <18>ゲゾラ(グラファール師)仏オークスの後、3週間の休養を挟み、ヴェルメイユ賞で始動するために調教を再開。凱旋門賞を秋の軸に据えた。前走はまだ100%ではなく、負けたけど素晴らしい走り。アヴァンチュールを負かすのは難しいと思っていたし、そういう中でここにつながる競馬を、きっちりしてくれた。今回はベストの状態で臨めるし、距離も軟らかい馬場も全く問題ない。非常に扱いやすく、常に力を出し切るタイプ。3歳牝馬で重量も有利だし、期待したい。