2025.08.18
スポニチアネックス
【中京記念】マピュース 首差で重賞初V レース史上初の3歳牝馬制覇 横山武「減量したかいがあった」
若き乙女が堂々たる走りで実力馬をねじ伏せた。道中2番手で進めた3歳牝馬マピュースが直線、しぶとく逃げ粘る同じ3歳シンフォーエバーをめがけて、1完歩ずつ差を詰める。馬上で激しくステッキを振る横山武の鼓舞に応えるとゴール前でグイッと首差、前に出た。初コンビで相棒を重賞初制覇に導いた鞍上は「いい馬だと昔から見ていて思っていた。鞍上を任せていただいて、とてもうれしかったし結果を出せて良かった」と喜びを口にした。

スタートはひと息だったが冷静に2番手までエスコート。序盤はなだめながら馬のリズムを最優先した。「ずっと乗っていた田辺さんがいろいろ教えてくれて、どんな競馬でもできると。自信を持って2番手を取りにいった」と振り返る。残り2Fで合図を出すと、持ち前の負けん気の強さでひと伸び。初対決の古馬を寄せ付けず、レース史上初の3歳牝馬Vを達成した。
メンバー最軽量の52キロ。鞍上は6月7日の由比ヶ浜特別(ソーダーンライト4着)以来、今年2回目となる52キロまでの減量を決意し、主戦場の北海道から中京に乗り込んだ。「最後は伸びてくれ、という強い気持ちで、それに馬が応えてくれた。減量したかいがあったし馬と関係者に感謝です」と誇らしげに語った。
5月のNHKマイルC7着後は秋の紫苑Sから始動するプランもあったが、開幕週の馬場への対応などを考慮し当レースを選んだ。管理する和田勇師は「以前と比べて、ずいぶん体はたくましくなった」とパワーアップを強調した上で「あとは気持ちの面ですね」と精神面の成長に期待を寄せた。今後の具体的なレースは未定ながら、秋の活躍を予感させる見事な走り。重賞ウイナーの仲間入りを果たした若きマイラーが次のステージへ突き進む。
マピュース 父マインドユアビスケッツ 母フィルムフランセ(母の父シンボリクリスエス)22年3月26日生まれ 牝3歳 美浦・和田勇厩舎所属 馬主・吉本雄二氏 生産者・北海道千歳市の社台ファーム 戦績7戦3勝(重賞初勝利) 総獲得賞金9564万2000円。馬名の由来はかわいい子(仏)。