2025.05.31
スポニチアネックス
【日本ダービー】クロワデュノール ロングスパート勝負だ! 地力比べの馬場&展開なら
G1週土曜付の名物企画「展開王」はダービースペシャルバージョン。東京本社・高木翔平が今週、実際にダービーで使用する東京芝2400メートルを歩いて確認。JRAの馬場の“スペシャリスト”の解説と共に最新の馬場情報込みでお届けする。

決戦3日前の29日に自分の足で踏みしめた東京芝2400メートル。昨年に続いての馬場取材だったが、1年前との違いに驚かされた。内ラチ沿いがかなりデコボコしている――。
オークス週もそうだったが、今回の東京はとにかく開催日に雨が降った。道悪で各馬が殺到したインは、蹄跡をかたどるように芝が剥がれていた。取材時には今週から使用されるCコースの柵が設置されていたが、傷みはカバーし切れず。内ラチ沿いまで野芝がびっしりと生えそろっていた昨年とは大きな違いを感じた。加えて、東京競馬場馬場造園課の浅川敬之課長は「今週末も雨の予報が出ています。土曜の馬場状態次第で、さらに荒れる可能性はあります」と説明した。
ダービーで時折、見られる“インを生かした伏兵の激走”。馬場絶好の昨年は9番人気だったダノンデサイルが好位から最内を抜け出し、19年は最内枠を最大限に生かした12番人気ロジャーバローズが激走した。しかし、今年の直線はインをぽっかりと空けた追い比べに。シンプルに地力を問われる展開なら、◎クロワデュノールで決まりだ。
1週前追い(CWコース)は3頭併せの最後方から大外を回した。皐月賞の1週前追いは僚馬2頭に挟まれる形だったが、今回は東京の直線を意識した調整ぶりが伝わる。恐らく先行するライバルは直線で、より馬場状態のいい真ん中より外へ進路を取る。そのさらに外から前を射程圏に入れて追い出す。今の東京芝の状態に合わせた勝負を選ぶ気がしている。
逃げ馬不在でスロー濃厚。M・デムーロ&ファウストラーゼンのタッグが得意の捲り、3~4角で一気に押し上げる。◎にとっては楽勝したホープフルSと同じ「スローからのロングスパート勝負」だ。同じ舞台の皐月賞ではレースレコード決着で最後の伸びを欠いた。高速馬場に不安があったが、冒頭に記したように荒れた芝&雨の影響が残れば、その心配も無用だ。叩き2戦目での上積みも見込める一戦。地力比べの馬場&展開なら、最後は世代屈指の総合力がものを言う。(高木 翔平)