2025.05.23

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【オークス】(4)アイサンサン 抽選突破で波乱呼ぶ!佐々木師「最高の枠や!!」

 牝馬クラシック第2弾「第86回オークス」の出走馬18頭と枠順が22日、確定した。1勝クラスのアイサンサンは「6分の5」の抽選を突破してゲートイン。馬番は4番に決まった。父はダービー馬キズナ、全姉に21年エリザベス女王杯を制したアカイイトを持つ良血。大一番に強い血統が運を味方に大駆けムードだ。

厩舎周りで運動するアイサンサン(撮影・亀井直樹)

 木曜午後2時の栗東トレセン事務所。ピンと張り詰めた空気感の中、オークスの枠順が発表された。“6分の5”の抽選を突破したアイサンサンは2枠4番に決定。佐々木助手から電話で枠順を伝えられた父・佐々木師の第一声は「最高の枠や!!」と声を弾ませた。

 1勝馬で実績は見劣るが、大舞台に強い血統は魅力。父キズナは13年ダービーを大外から異次元の末脚で差し切り、世代の頂点に立った。全姉アカイイトは21年エリザベス女王杯を10番人気の伏兵で勝ち3連単339万馬券を演出。この2頭はG1初挑戦でビッグタイトルをつかみ取った。

 アイサンサンはマイル以下の距離しか経験していないが、東京芝2400メートルの舞台で素質が開花する可能性を秘めている。父も管理した佐々木師は「馬の形はキズナに似ている。レースセンスが良くて、折り合いに全く不安がない。馬の後ろで(脚を)じっくりためて最後にいい脚を使えればいいね」とイメージした。

 今年初戦の紅梅Sは1番人気で12着惨敗。道中で泥の塊が顔に接触し、装着していたメンコがずれるほどのアクシデントがあった。この敗戦が前走こぶし賞(3着)にも影響。他馬を怖がるしぐさを見せ、スタート後に外へ大きく逃避。「馬を気にする面が出ていたし、ここ2戦は競馬にならなかった。普通に回れていれば違った結果になっていたと思う」と振り返る。

 前走後は心身共にリフレッシュを図るため、放牧に出された。その効果は稽古にも表れている。1週前に坂路で自己ベストを1秒2更新する4F50秒9をマーク。「先週の動きが良かった。前走は毛ヅヤもひと息だったけど(体の)張りも良くなっていい仕上がり」と状態面に太鼓判を押す。

 近年のオークスで抽選突破組が馬券に絡んだのは16年3着のビッシュ(5分の4の抽選)。また、02年皐月賞馬ノーリーズン、菊花賞馬ヒシミラクルは抽選を突破し、クラシックホースとなった。運を味方に波乱演出の血が騒ぐ。