2025.05.10
スポニチアネックス
【NHKマイルC】マピュース突き抜ける!瞬発力生かせる舞台
展開面にスポットを当てて勝ち馬をあぶり出していく土曜付G1企画「展開王」。春の府中G1・5連戦の開幕を告げる「NHKマイルC」を担当するのは、東京本社・後藤光志。府中マイルのコース形態に着目。瞬発力にたけたあの馬に本命を託した。

府中マイル戦はコース形態を理解することが的中への近道になる。スタートは向正面。序盤は緩やかな下り坂が続く。いったん上り坂を挟み、3角手前から再び下り坂に。ペースが緩む中盤でも思った以上に息が入りにくい。最後の直線は当然、切れ味が求められる。狙い目は道中でじっくり脚をためられる差し馬だ。
今年は典型的な逃げ馬が不在のメンバー構成。ここは先行力のあるティラトーレがハナを切りそう。好位にアドマイヤズーム、中団にランスオブカオスが続く。淡々とした流れだが、馬群はほぼ一団。内ラチ沿いの馬場も良く、4角から直線の進路取りはタイトになる。ごちゃつく内を見ながら、後方勢が外から進出。最後はスムーズに加速できた差し馬の勢いが優勢になる。
本命は勝負根性抜群のマピュース。前走桜花賞(4着)が強い内容だった。道中は雨馬場(やや重)でキックバックを受けながら、馬群にもまれる厳しい形。それでも直線で追い出しに反応すると、内からしぶとく脚を伸ばした。2走前のクイーンCも直線は馬群を抜けてくる形で2着。この瞬発力があれば多頭数でも問題なし。中団後ろからじっくり運び、馬群をさばいて外へ持ち出せば末脚がさく裂する。そのクイーンCは良馬場で1分32秒6の走破時計。高速決着にも対応可能だ。週末の天気が読み切れないだけに“晴雨兼用”な脚質も心強い限りだ。
中間も好気配をプンプン漂わせる。田中助手は「力みもないし、多少の気合乗りもあっていい感じ。(前走より)さらにいいのではないかと思います。不安はないし力を出せる仕上がり」と上積みを強調。同世代の牡馬をなぎ倒して、ここで初タイトルを手にする。