忘れられない英クラウト師の最敬礼

 【競馬人生劇場・平松さとし】フランスG1凱旋門賞(10月2日)まで10日を切った。今年は日本馬が4頭出走する予定で、各馬は既に現地入り。大一番へ向けおのおの最終調整に入っている。

エルコンドルパサーを受け入れたトニー・クラウト調教師(撮影・平松さとし)

 フランスに滞在して現地の競馬に挑戦する場合、外国馬は必ず現地の厩舎か競馬場に滞在しなければならない。今回の4頭の日本馬もそれぞれ厩舎に入っているが、過去の例をみると現地の厩舎のサポート態勢も少なからず結果に関わっているように思える。

 私はここ二十数年、ほぼ毎年のように現地で取材をしてきたが、サポート態勢という意味で中でも印象に残っているのはエルコンドルパサー(99年、2着)の時だ。二ノ宮敬宇調教師(当時)が管理した同馬は、トニー・クラウト調教師(当時)の開業する厩舎に入厩した。

 英国人のクラウト調教師は若い時、英国ニューマーケットで修業した経験があり、その時、知り合った仲間の一人に後の1500勝トレーナーとなる藤沢和雄元調教師がいた。そんな縁もあり、タイキシャトルが遠征(98年ジャックルマロワ賞1着)した際も馬房を用意してくれた同師は親日家。日当たりや作業面で最も良いとされる馬房をタイキシャトルやエルコンドルパサーのために空けて用意してくれたり、調教のための先導馬を用意してくれたり、競馬場へ行く際には現地のシステムに慣れているスタッフや自身も同行してくれたりと、万全のサポート態勢を敷いてくれた。

 凱旋門賞2着惜敗を最後に約半年に及ぶ現地での滞在を切り上げたエルコンドルパサー。その現地での最後の日に、クラウト調教師がエルコンドルパサーに向かって帽子をとって最敬礼した姿は今でも忘れられない。

 今年はステイフーリッシュとディープボンドが清水裕夫厩舎、タイトルホルダーは小林智厩舎、そしてドウデュースはP・バリー厩舎の馬房をそれぞれ間借りしている。大一番が終わった後、現地の調教師に最敬礼をさせるくらい好走できる馬は出てくるだろうか?期待したい。(フリーライター)

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