2025.11.02
スポニチアネックス
大快挙!フォーエバーヤングが米ブリーダーズCクラシックV 日本調教馬が史上初 矢作師「やったよ!」
米国ダート競馬の最高峰G1である「ブリーダーズCクラシック」が1日(日本時間2日早朝)、カリフォルニア州のデルマー競馬場(2000メートル)で行われ、日本から参戦したフォーエバーヤング(牡4=矢作、父リアルスティール)が優勝した。日本調教馬のBCクラシック制覇は史上初の快挙。海外G1は今年2月のサウジカップに続く2勝目となった。
管理する矢作芳人師(64)は海外G110勝目で、自身が持つJRA所属調教師の海外G1最多勝記録を更新。BC競走は21年「ディスタフ」(優勝馬マルシュロレーヌ)、同年「フィリー&メアターフ」(同ラヴズオンリーユー)に続いて3勝目となった。
レース後、矢作師は「日本代表がサッカーのW杯で優勝したような感じ」と大喜び。「今回これで負けたら望みはない、というぐらいの仕上げだった」といい、「やりましたよ!やったよ!ついに、ついに獲った!アメリカの頂点を!やりました!」と絶叫した。坂井瑠星騎手もレース直後、馬上でRacing TVのインタビューに応じ、「He's an amazing horse.It's a dream (本当に素晴らしい馬です。夢のようです)」とコメントした。
世界のYAHAGIが、またも大仕事をやってのけた。日本調教馬初のBCクラシック制覇。しかも昨年のこのレース(3着)で先着された同世代のシエラレオネ、フィアースネスに雪辱を果たしての文句なしの戴冠だ。ダート競馬の本場である米国の最高峰レース。事実上のダート世界一決定戦は、芝を主眼に血統を紡いできた日本馬には高い壁だった。96年タイキブリザードの初挑戦(13着)以降、延べ10頭が跳ね返された舞台。凱旋門賞Vよりも困難との声もあった悲願のゴールを、フォーエバーヤングが見事に先頭で駆け抜けた。
「勝つためにここに来た。あとは弟子(坂井)に全て任せる」。愛馬に悔いのない仕上げを施し、全幅の信頼を置く坂井にバトンを渡した矢作師。「この馬の力をしっかり引き出して世界一になりたい」。坂井は過去2度の米国G1で勝利を逃した(24年ケンタッキーダービー、BCクラシック共に3着)悔しさを教訓に、相棒を歓喜のゴールへと導いた。師弟でつかみとった栄冠は格別だ。
名実ともに「世界最強ダートホース」の称号を手にしたフォーエバーヤングは、来年も現役続行を意向を示している。今回の勝利で種牡馬としての価値も大きく高まった。新ダート王の動向を、世界中のホースマンが注目している。
◇BCクラシック 米国競馬の祭典「ブリーダーズカップ」における、84年創設当初からのメインカード。ダート2000メートルの条件は変わらず、全米の競馬場で持ち回りで開催される。優勝馬にはサンデーサイレンス(89年)、アンブライドルド(90年)、エーピーインディ(92年)など種牡馬としても成功したビッグネームが並ぶ。レースの賞金総額は700万ドル=約10億7800万円(1着賞金364万ドル=約5億6000万円)で北米最高額を誇る。