月が替わり、満開の桜に誘われるように「競馬の春」が一挙に押し寄せてきました。日本の地方競馬は3月末が1年の締め括り。4月からは新シーズンに突入します。2週間後には門別を皮切りにフレッシュな2歳馬が登場する新馬戦が始まります。その地方競馬ですが、昨シーズンは15競馬場で無観客開催などのコロナ禍を吹き飛ばすような熱いレースが順調に施行され、全体で対前年比130%強の9000億円を超える売上を記録したようです。“1兆円産業”へ最終ハードルが肉眼に鮮やかに浮かび上がってきました。

 

ヨーロッパでは障害シーズンから平地シーズンへの移行時期に差し掛かり、イギリス、アイルランド、フランスなどでは先週あたりから本格的に平地レースが開幕しています。イギリスの巨匠ジョン・ゴスデン調教師のように、世界のレーシングカレンダーをくまなくチェックして、中東に着目して早くから馬を始動させ、ミシュリフでダートのサウジカップと芝のドバイシーマクラシックをダブルで制覇しました。ミシュリフが稼いだ賞金は2レースだけで約1300万ドル≒14億円超!

 

たまげたのは、アイルランドの超名門エイダン・オブライエン厩舎の鬼神の如き凄まじい開幕ダッシュです。地元カラの開幕デーで、ジョアンオブアークという3歳牝馬がメイドン(未勝利)を勝ち上がったのを皮切りに、ドバイシーマクラシックで期待を裏切ったモーグルの惨敗を含めても、今シーズンは11戦7勝!勝率にして軽く6割超え!神がかり的なアベレージを叩き出しています。もちろん大馬主のクールモアから、素晴らしい素質を秘めたサラブレッド群を預託されているアドバンテージはあります。ちなみに前出ジョアンオブアークは父ガリレオ、母ユーアーソースリリングの血統で、全兄グレンイーグルスはG1を4勝した快速マイラー。他の全姉もG1馬が2頭という目が眩むような超良血馬です。

 

7勝のほとんどは3歳馬の未勝利戦でのものでしたが、ヨーロッパ年度代表馬マインディングの全妹エンプレスジョセフィン、G1勝利数ヨーロッパ記録を持つ女帝ゴルディコヴァをジャックルマロワ賞で倒す大金星を挙げたイモータルバースの娘テネブリズムなどキラッキラの名馬候補が居並びます。古馬陣では日本の松島正昭さんが共同馬主のブルームが登場し、リステッドレースを楽勝して22カ月ぶりの嬉しい復活。武豊騎手で凱旋門賞を!という松島さんの悲願は果たされるのでしょうか?いずれにしろ今年のエイダン・オブライエン厩舎から目が離せそうにありません。