JBBA(日本軽種馬協会)は、もともとが日高の生産者のレベル
向上、活性化をコンセプトに設立された組織。JRAの馬産・購
買・育成に始まり、主に新規馬主開拓を通じた競馬振興を目的
に、ブリーズアップセールなど販売に至るまでの事業運営に重
要な役割を果たしています。また、日本の馬産界全体がサンデ
ーサイレンス系などを中心とした内国産馬の重用に大きく舵を
取る中で、海外の血を積極的に導入して「血統の多様化」の面
で独自の存在感を示しているといえるでしょう。
実績を誇る大オーナーブリーダーの挑戦的な生産馬に着目し、
世界の流行を創造するような先端の血でありながら、見た目に
地味で前評判はイマイチでも、来日後に現地に残して来た産駒
が想像を超える活躍を見せ、ポテンシャルに比べてリーズナブ
ルな購入額=種付け料というあたりが戦略的ポイントでしょう
か?
最近の実例を見ると、大種牡馬ダンチヒ最晩年の傑作・ウォー
フロントの後継デクラレーションオブウォーは、競走馬&種牡
馬の両面でクールモアの金看板を背負ってきた一流馬です。
マクフィは、ドバイミレニアムの血を奇跡的に繋いだドバウィ
産駒初のG1馬。ゴドルフィンに長年重用されただけあって、
今年デビューした日本での初年度産駒は、想像以上に安定した
走りを見せており、芝・ダート双方で日本適性を感じさせます。
ノーブルミッションは、全兄フランケルとの競合を避けるため
アメリカで種牡馬生活をスタートさせましたが、生まれ育ちは
カリド・アブドゥッラー殿下と超名門ジュドモントファームの
輝かしいブランドに彩られています。兄同様に高い日本適性を
爆発させれば、思わぬ大物輩出の期待が大きく膨らみます。
来年20歳を迎えるバゴは、老いてますます勢いを増していま
す。宝塚記念をぶっちぎったクロノジェネシスは、史上最強牝
馬の称号を狙える底力に凄みを増して、風格を漂わせる昨今で
す。2歳馬からも超新星が誕生!サウジアラビアロイヤルCを
圧勝したステラヴェローチェが、来年のクラシックに堂々と名
乗りを上げました。バゴ自身はニアルコスファミリーの出身で、
2004年の凱旋門賞を制した名馬です。来年度はもう50万円(今
年度の種付料)で種付けできないかと思われますが、まだまだ
リーズナブルな印象があり、日高の人気者として花嫁を多数集
めるのでしょう。
さらに、九州種馬場に繋養されているスクワートルスクワート
は、10万円と安価な種付け料で九州産馬の質的向上に貢献。今
年はヨカヨカが一般馬を相手に飛び抜けた完成度で堂々の横綱
相撲を披露し、「熊本の星」となったのは記憶に新しいところ。
クラシック候補の声すら掛かるレベルの高さを見せています。
これらの種牡馬たちが、日本の馬産を更に盛り上げて欲しいも
のです!