大袈裟に言えば、いま日本の血統地図が大きく書き換えられる

かもしれない新たな地殻変動が起こっているようです。

ほぼ四半世紀に渡って日本の種牡馬王の座を独占し続けて来た

サンデーサイレンスとディープインパクトの父子が生み出した

影響力は、日本のみならず今や世界各国まで広まっています。

競馬のグローバル化も相まって、とくにディープインパクトの

活躍は目覚ましく産駒が海外G1を勝っても最近は下手をすると

ニュースにもならないほど。それほど当たり前になりました。

 

しかし日本競馬がコロナ禍による無観客競馬を強いられたにも

関わらず、ファンの熱心な支えで売上を高水準で維持し続ける

一方、世界に誇れる実績を残しているのは、ディープを筆頭に

SS系の驚異の成長力ばかりに、あったわけではないでしょう。

その背後には、キングカメハメハなどに代表される非SS系との

絶妙な交流があってこその繁栄だったことは忘れられません。

いま起きている地殻変動は日本競馬の成長と発展を支えて来た

このSS系と非SS系の均衡が揺らぎ始めたことを意味します。

 

地殻変動の目となっているのはサンデーサイレンス(SS)の

血をインブリードすることでクロス馬が現れ始めたことです。

昔は極端に言えばSS系と非SS系の二分類しかなかったものが

「SSクロス系」というカテゴリーが登場することになります。

SSクロス系はエピファネイアが、サンデーの孫にあたるその母

シーザリオと、祖母の父にサンデーを抱える母系との配合から

デビューから無敗のまま牝馬二冠を制し偉大なサンデーの血を

蘇らせたデアリングタクトを初年度に出して注目されました。

 

非SS系ながら、何らかの形でSS血脈を内包させる馬は急激に

増えており、今季もキングカメハメハ系列からドゥラメンテや

リオンディーズ、ラブリーデイなどが種牡馬としてデビューし

エピファネイアを送り出したロベルト系を祖とするモーリスが

2歳リーディングの先頭を余裕残しで走っているのは驚異です。

現在までモーリス、ドゥラメンテ、エピファネイア、キズナの

順でランキングされ、ディープは5位から逆転を狙っています。

 

しかし、これだけSSクロス系の勢いが凄まじいと、安定勢力の

SS系本体の優位性は当分は揺らがないとして、ライバルだった

キングカメハメハ系は、ロードカナロアやルーラーシップなど

SSの血を一滴も持たない純正の非SS系と前出のドゥラメンテや

リオンディーズなどSSクロス系との、真っ二つに分裂します。

キングカメハメハ系のルーツが失われるわけではありませんが

系統としての存在感が薄められるのは仕方がないでしょうか?

非SS系にとっては、優秀なSS系牝馬がSSクロス系サイアーに

流れることを考えると小粒化は避けられないかもしれません。

明日は、そのあたりの考察を進めてみたいと思います。