一部地域で制限緩和の方向性も出始めている無観客競馬ですが

全体として見れば、もう半年以上もファン不在のスタンド前で

レースが行われています。競馬に関わるホースマンの皆さんや

ファンにとって「競馬ができるだけでも(見られるだけでも)

ありがたい!」気持ちでいっぱいですが、そんな大事な競馬の

開催と運営を無事に維持して、末長く守り抜いていくためには

欠かせない馬券売上の動向が他人事ながら心配でなりません。

 

長年積み重ねられて来た歴史と伝統に支えられ、世界の人々の

憧憬と愛着を集めるブランド価値の高いビッグレースにおける

一流企業による高額スポンサード、テレビ放映権料収入などが

競馬開催の柱として一般化しているヨーロッパなどとは異なり

ご承知のように、日本の競馬では開催に関わるすべての経費が

ファンの馬券購入から得られる売上金から拠出されています。

極論すれば、馬券が売れなければ根本から崩れ去るでしょう。

 

ファンの入場を規制したままで、しかも競馬場だけに止まらず

売上シェアへの貢献度合が高いウインズなども閉鎖したままで

電話とネットの一本足打法で、必要な売上が達成できるのか?

関係者の多くは、悲観的な見通しに肯かざるを得ず、暗澹たる

先行きに、ガックリ肩を落としたこともあると思います。

 

しかしお盆過ぎ、驚くべきニュースがもたらされました。

ナント!中央と地方を含む日本競馬の売上が、前年同時期比で

プラスにV字回復!にわかには信じられないサプライズでした。

競馬開催には莫大な費用がかかります。賞金、出走手当などの

基本的運営費はかなりの重荷でも、これはアンタッチャブル!

競走馬の質やレースの格式を維持するには削れない部分です。

しかし無観客競馬だと馬券売場のおばちゃんなどの販売経費や

最寄りの駅から場内整理まで安全開催に尽力する警備員さんの

経費などが削減され、コストダウン効果が生まれるのは確か。

地域や社会全体の雇用創出という娯楽産業の役割から考えれば

長い目で、そうしたコストカットが良いかどうかは疑問ですが

しかし今回に限れば、年初からのV字回復に貢献したのかも?

 

今回のMVPは、文句なくファン自身だろうと確信しています。

知的成熟度が高く、ITリテラシーに習熟した日本人だからこそ

ネット馬券システムを楽々と使いこなし、さらにもたれされる

多様な情報群を通じて競馬の醍醐味それ自体にアクセスをする

愉しみを、楽々と深めることが可能になったのでしょう。

改めて日本社会と競馬ファンの質の高さに感じ入る思いです。