産駒デビュー以来22連敗と期待を裏切る大不振にあえいでいた

新種牡馬のモーリスが、先週3勝と本来の働きを披露しました。

セレクトセールのプロモーション戦略として、前のめり気味に

使い出されるなど、多少とも気の毒な背景もあったのですが、

モーリス自身はトレーニングセール出身馬らしく早い時期から

活発な動きを披露し、2歳時には新馬と500万下特別を2勝して

仕上がりの良さを生かしています。しかし、振り返って見ると

これはまだ、成長途上の「仮の姿」に過ぎなかったようです。

クラシック路線となると、見た目ほど中身が十分に成熟の域に

達していなかったのか少し足りないレースの繰り返しでした。

 

故事に伝わる眠れる巨龍や成鳥前の鳳(おおとり)を思わせる

大成長を遂げたのは、父スクリーンヒーロー直伝の異能です。

父は転厩をきっかけに大変身!雲を得た竜の如く、条件級から

ジャパンC制覇まで、一気に昇り詰めた乱世のヒーローでした。

息子モーリスも堀宣行厩舎への転厩を機に、馬が変わります。

環境の変化やあり方が、人や馬の成長やあり方に大きな影響を

及ぼすとされる「孟母三遷の教え」を読み返す思いがします。

モーリスが海外遠征に滅法強かったのも、環境の変化に動じず

むしろそれをエネルギーに変える稀有な個性にあったのかも?

 

勝ち上がり4頭中3頭までサンデーサイレンス4×3のクロス馬で

同じロベルト系のエピファネイア同様、父系が伝える力強さと

サンデーのスピードと切れ味の融合を生む「黄金配合」です。

これらの成功は「SSクロス系」という新たな血統カテゴリーを

誕生させ、今後さらに大きく発展させることになりそうです。

 

個別に眺めて見ると、まだ全体に小粒な印象は拭えませんが、

大物の風格漂わせるレッドベルオーブの末脚を、先に抜け出し

アタマ凌いだストゥーティは競馬勘の塊のようなタイプです。

インフィナイトはSSクロスに加えて、父系のグラスワンダーを

リヴァーマンとダンチヒのそれぞれ二重クロスで補強しており

馬格の雄大さからも先々の出世の楽しみが大きく膨らみそう!

数多く出走しているように見えて、登録頭数自体が群を抜いて

多く、モーリスが真価を発揮してくるのはこれからでしょう。

血統的成長力を含め、長い目で観察する必要がありそうです。