サンデーサイレンス(SS)系の進化の方向性の新潮流として、
SS 4x3もしくは3x4の「奇跡の血量」と呼ばれ尊重されて来た
配合が注目されています。最初の成功者はデビューから無敗の
4連勝で桜花賞とオークスを制覇したデアリングタクトでした。
父エピファネイアの母シーザリオがSSの孫娘にあたり、母系の
祖母デアリングハートはSSの娘という血統構成を持ちます。

昨年デビューのエピファネイアを先頭ランナーとして、とくに
今年の新種牡馬はドゥラメンテ、モーリス、リオンディーズと
有力馬の多くに、何らかの形でSSの血脈を内包する馬が目立ち
SSクロスが新潮流から確かな主潮流へと転換していく起爆剤に
なるのでは?そんな予感めいたものが競馬場に立ち込めます。

これ以前は、その「奇跡の血量」一歩手前の3x3がSSクロスの
血統実験の主役を務めていました。日本では血量過多を避ける
傾向が強かったのですが、ヨーロッパなどは女帝エネイブルの
サドラーズウェルズ3X2に見られるように、3x3のクロスなら
一般的です。この配合からは、東京ダービーのバルダッサーレ
兵庫ダービーのノブタイザンと、地方での活躍が目立ちますが
中央重賞でもトラストが札幌2歳S、キョウヘイがシンザン記念
ノットフォーマルはフェリーSを勝つなどの実績を残しました。
2歳から3歳前半までに活躍時期が集中しているのが特徴です。
SS最大の美点・クラシック血統を反映しているのでしょうか?

東サラのセレクトセール落札馬「パイレートクイーン20」は、
ディープインパクト全兄ブラックタイドが輩出した最大の大物
キタサンブラックとダイワメジャーの娘から出たSS3x3配合。
強めのSSクロスを、巧妙に配された複数のノーザンダンサー系
ラインの組み合わせでアシストしているのはバルダッサーレと
ほぼ似通った構造です。バルダッサーレは父アンライバルドが
母系にサドラーズウェルズを抱え、スペシャル5X5の持ち主で
ヨーロッパ風の重厚さが出てダートを主戦場にしていました。

しかしこの馬はいかにも日本向き軽快さが前面に出ています。
キタサンブラックの成長力に期待する気持ちも強いのですが
2歳リーディングサイアー争いでディープを打倒した唯一の馬
ダイワメジャーのスピードと、勝ち気の旺盛さも見逃せまん。
この組み合わせなら本質的に仕上がり早く、前述SSクラシック
血統の正統継承者と期待!リーズナブルさも大きな魅力です。