今年のセレクトセール、1歳市場を駆け足で概観して来ましたが 当歳市場には、この十数年、不動の大黒柱としてマーケットの 成長を牽引して来たディープインパクトやキングカメハメハの 姿がありません。この世代以降から「ポストDK」になります。 「DK不在」のマーケットに産駒をデビューさせる新種牡馬では ディープ後継の呼び声も高いサトノダイヤモンドがバイヤーの 注目を集めそうです。ダイヤモンド自身の競走実績がG1勝ちは 菊花賞と有馬記念で長距離に偏っているのが気になりますが、 アルゼンチンの名血を配した骨太の血統、気品のある好馬体と サラブレッドとしての完成度の高さは高く評価されそうです。 マインドユアビスケッツは、昨年の当歳市場で大ブレークした ドレフォンと同様のアメリカンスプリンターで、ドバイ遠征の G1ゴールデンシャヒーンを鋭く追い込んで連覇したキレモノ! 吉田照哉さんが馬主に加わってからは、適正領域を広げるため マイルG1メトロポリタンH、1800mのG1ホイットニーSと距離 延長を試され、いずれも2着と結果OK。配合もそれなりに工夫 されるでしょうから、活躍の場を、どう拡げるか楽しみです。 デラクレーションオブウォーは、クールモア所有馬で現役時は クイーンアンS、インターナショナルSなどG1を2勝の実績馬。 ダート初挑戦のBCクラシックでクビの上げ下げの3着を最後に 種牡馬入りしてアイルランド、オースートラリア、アメリカの クールモア拠点で繋養されました。初年度から仏2000ギニーの オメルド、4歳秋にメルボルンC制覇のヴァウアンドデクレアと 派手さはなくても、着実にG1馬を世界各国で輩出しています。 日本では第3世代のデュードヴァンが、G3ユニコーンS2着など ダート路線で一級の働きを見せています。アメリカにおいては シルヴァープロスペクターがケンタッキーダービー最有力候補 ティズザロウに土をつける「ジャイアントキリング」を果たし 全体に「ここ一番!」での大駆けが印象的な血統のようです。 ディープ&キンカメがセリ市場から去る今後は、どんな新星が 日本競馬をますます盛り上げる原動力となって行くのか? セレクトセールからも目が離せない年月が当分続きそうです。