今年も伝統のロイヤルアスコットが、無事に開幕しました。
イギリス競馬全体の大幅な日程変更の影響で、アスコットでも
番組編成が見直されたり、一般客は入場禁止の無観客化などの
変化は見られますが、開催に漕ぎ着けられたのは幸いでした。
競馬の母国イギリスのすべてのホースマンに感謝します。

300年以上も前のアスコット競馬場の開祖アン女王を顕彰する
G1クイーンアンSがいきなり名勝負を堪能させてくれました。
1番人気はエイダン・オブライエン厩舎のライアン・ムーア騎乗
サーカスマキシマス、2番人気ジョン・ゴスデン厩舎の上がり馬
テレベルムの鞍上にゴドルフィンの鮮やかなロイヤルブルーの
勝負服をまとったランフランコ・デットーリの姿があります。
名馬主、名調教師、名騎手同士の真っ向微塵の真剣勝負です。

レースは、ファンの期待通りに両雄の一騎打ちとなりました。
サーカスはゴールが持つ意味と位置を熟知しているかのように
自らエネルギーを自在にコントロールできる頭の良い馬です。
先行タイプなのですが、位置取りにこだわらずゴールラインを
一番先に通過することを、自分の仕事と考えているようです。
この日もハナを制したものの、各馬が仕掛けた勝負どころでは
いったんテレベルムを先に行かせて、脚を溜める余裕、壮烈な
叩き合いの末にゴール寸前で差し返しアタマ先着しています。
こういう馬を創り上げる調教技術には驚かされるばかりです。

アスコット千直競馬G1キングズスタンドSは、2年連続で2着に
泣いて来た千直スペシャリスト・バターシュが三度目の正直!
向こうでは同じスプリントでも1000mと1200mではまったく
別カテゴリーのように専門化が進んでいます。強いわけです。

ロイヤルアスコットは、例年だとダービー&オークス終了後に
開幕するのですが今年は開催スケジュールが逆転しています。
3歳限定の2400m戦は、例年なら世代頂上戦で敗れた馬たちの
リベンジの位置付けですが今年は最重要前哨戦となりました。
G2キングエドワード7世Sは昨年はジャパンが圧勝、それ以前も
ナサニエルが大飛躍のきっかけとした出世レースとして有名!
ジャパンの全弟モーグルが、兄が3着に惜敗したダービーへの
ジャンピングボードと意気込んでいましたがスプリンター血統
パイルドライバーの4着に敗れる波乱の決着に。もう2週間後に
迫ったダービー戦線は、未だ混沌としたままのようです。

牝馬のG2リブルスデールSは、今月1日の再開初日のレースで
未勝利を勝ったばかりのフランキーダーリンが快勝しました。
彼女は父フランケル、調教師ゴスデン、騎手デットーリ、馬主
オッペンハイマーというチームは、英チャンピオンS連覇など
傑出した能力を持ちながら、僚馬エネイブルとの使い分けから
凱旋門賞など大舞台と無縁だったクラックスマンと同じです。
馬名のフランキーは、今度こそはデットーリを離さないという
馬主さんの固い決意の現れなのでしょうか?

この勝利で、オークスは1000ギニーを圧勝したラヴに続く2番
人気に跳ね上がり、チーム・ゴスデン&デットーリ対チーム・
オブライエン&ライアンの宿縁の名勝負が見られそうです。
いろんな意味で面白い今年のロイヤルアスコット、明日からも
引き続きウォッチングに精を出して行きます。